網走地方気象台長からのご挨拶「地域に根ざした気象台」をめざして

(令和4年4月1日 更新)

 日頃、網走地方気象台のホームページをご利用いただきありがとうございます。

 網走地方気象台長の大山哲男(おおやま てつお)と申します。


 網走地方気象台は、明治22(1889)年8月、網走地方の漁田開発と農業生産のための気象協力を目的として、北海道庁立網走仮測候所として創立し、明治23(1890)年5月に現在地(網走市台町)に庁舎を新設し業務を開始しました。以来、国への移管、気象台への改称などを経たものの、移転することなく観測や予報などの気象業務を続けています。


 130年以上にわたって同じ場所で観測を続けている気象台は全国でも少なく、気象庁では、当台を将来にわたり地球温暖化の監視を継続するための重要な観測地点として選定しています(全国41地点のうちの一つ)。日々の観測データは、大雨などの監視に使われるだけでなく、長期間にわたり蓄積されることで地球温暖化の監視のために重要なデータとなっています。


 近年は、全国各地で大雨等による甚大な災害が発生し、網走・北見・紋別地方も災害の発生するリスクがあります。平成18(2006)年11月には、佐呂間町で竜巻による大きな被害がありました。平成25(2013)年3月には暴風雪によって大変痛ましい災害が起きました。また、平成28(2016)年8月には、台風が次々と北海道に接近・上陸し、大雨等により甚大な被害が発生しました。これらは決して忘れてはならない災害です。


 網走地方気象台では、自然災害による被害が少しでも軽減されるよう、日頃から気象・地震・火山災害に関する普及啓発の取り組みを行い、大雨や大雪が予想される際には警報・注意報などの防災気象情報を発表し、広く住民の皆さまに警戒・注意を呼びかけているところです。また、網走・北見・紋別地方18市町村の防災担当の皆様とは「顔の見える関係」を構築し、地域防災に貢献するために積極的に取り組んでいます。


 気象庁は、令和3(2021)年2月にホームページを一新し、防災気象情報に関するページの充実を図りました。中でも「キキクル(危険度分布)」は、大雨による土砂災害や浸水害、洪水害の危険度の高まりについて、地図上で10分ごとに更新してお知らせする画期的なコンテンツです。土砂災害や浸水害は1km四方の領域ごとに、洪水害は河川の流路ごとに、それぞれ危険度を5段階に色分けして表示します。また、気象庁ホームページは、ご利用いただく方の用途に応じてカスタマイズできます。ぜひ、「あなたの街」を登録いただき、防災・減災にお役立てください


洪水害キキクル(危険度分布)


 網走地方気象台では、これからも、地域に信頼され、地域に貢献できる気象台であり続けるよう、関係機関と一体となって、一生懸命に取り組んで参ります。どうぞよろしくお願いいたします。



令和4年4月1日
網走地方気象台長 大山 哲男