気象、地震、火山、海洋の知識 - 海洋のはなし

  東シナ海の黒潮について観測定線PN線での観測結果からみると、黒潮は大陸棚の斜面に沿って流れ、流量も安定しています。黒潮が東シナ海から太平洋へ抜けるトカラ海峡では、表面の強い流れは北寄りで観測されますが、流量は水深が深い南寄りで多く、南北で流れの特徴が異なります。

  副振動とは、日々くり返す満潮・干潮の潮位変化を主振動としてそれ以外の潮位の振動に対して名づけられたものであり、海峡や湾などで観測される、周期数分から数10分程度の海面の昇降現象をいいます。
  主な発生原因は、低気圧等の気象じょう乱に起因する海洋のじょう乱などが長波となって沿岸域に伝わり、湾内等に入ることにより引き起こされます。
  振動の周期が湾等の固有周期に近いものであれば、共鳴を起こして潮位の変化が著しく大きくなる場合があり、過去には係留していた船舶の流失や低地での浸水被害が発生しています。
  九州西岸では特に大きな副振動が発生しやすく、「あびき」とも呼ばれています。

  "PN"とは Pollution Nagasaki の略で、この観測定線に沿って気象庁所属の海洋気象観測船による海洋バックグランド汚染観測が開始されたことを契機に命名されました。PN線の海洋観測は、1972年から2010年2月までは長崎海洋気象台(現長崎地方気象台)所属の「長風丸」が実施し、2010年(平成22年)4月以降は、気象庁本庁(東京)所属の「凌風丸」・「啓風丸」に引き継がれています。