【コラム4】九州北部地方の平年差及び平年比とは?

 「九州北部地方の気温」のように、地域ごとに平均された気象要素(平均気温・降水量・日照時間)の値は、観測値の平年からの偏りを用いて統計されています。 平年からの偏りを用いる理由は、観測値そのものは標高などの地形の影響を強く受けて地点ごとに値が大きく異なり、各地点の観測値を平均した値はあまり意味を持たないからです。 例えば、2015年1月の福岡の平均気温は7.9℃である一方、阿蘇山の平均気温は-0.6℃で、この2地点間の気温差はほとんど標高差によるものと考えられます。これらの観測値を平均して「九州北部地方の気温」として議論するには、不要な情報(標高差)を多く含んでしまうことになります。
 平年からの偏りとしては、その数値の特性上、平均気温は平年差(観測値-平年値)、降水量及び日照時間は平年比(観測値/平年値)を用います(平年値は、平均気温・降水量・日照時間いずれも1981~2010年の月別値の30年平均値)。 九州北部地方における平均気温の平年差及び降水量・日照時間の平年比は、当地方に点在する気象官署及び特別地域気象観測所(雲仙岳を除く)の17地点(図12-1の左下図参照)で観測された月別の平年差(比)を平均したものです。図12-1では、2015年1月の例を用いて説明しています。


図12-1

図12-1 九州北部地方の地域平均平年差(比)の求め方(2015年1月の例)


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