気象、地震、火山、海洋の知識 - 警報・注意報のはなし

大雨警報・注意報

1. 土砂災害


土石流

 土砂災害とは、土石流、地すべり、がけ崩れといった自然現象により、住民の生命、身体、財産等に被害が生じることをいいます。

土石流

 山や谷の土砂や岩石などが、梅雨や台風期の長雨や集中豪雨によって水と一体となり、一気に下流へと押し流されるものをいいます。その流れの速さは規模によって異なりますが、時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまいます。


地滑り

 地面は何層もの地層が積み重なってできていますが、大雨が降り続くと地下に水がしみこみ、水を透しにくい粘土層の上に地下水がたまります。この地下水の力に持ち上げられて粘土層を境に上の地面がゆっくり動く現象を「地すべり」といいます。
 地すべりは一般的に広範囲にわたって発生し、大きな被害を及ぼします。


がけ崩れ


がけ崩れ


 雨や地震などの影響によって、土の抵抗力が弱まり、急激に斜面が崩れ落ちることをいいます。突然崩れ落ちるため、ひとたび人家を襲うと逃げ遅れる人も多く、死者の割合も高くなっています。




2. 浸水害

 短時間に大雨が降ると、河川に流れ込むべき雨水が下水や用水溝の排水能力を超えて居住地域に溢れることがあります。また河川の水位の上昇や海岸の潮位の上昇によって排水が困難となって溢れることもあります。このようにして起こる道路や農地の冠水、家屋の床上・床下浸水などを浸水害といいます。


都市型水害


地下浸水



 都市地域では地面がコンクリートや舗装道路で覆われ、雨水が地中に浸透せず急激に流失します。また地下街や立体交差のアンダーパスなど浸水に弱い空間が増えていることから浸水による被害が拡大する傾向にあり「都市型水害」として大きな問題となっています。


交通障害

 激しい雨が降ると、見通しを妨げ車の運転などに障害を及ぼします。また道路に水の膜ができて高速で走るとタイヤのグリップを失い、ハンドルがきかなくなります。

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