気温について


 気象台で観測している気象要素の中で、「降水」と並んで私たちに最も身近な存在であるものとして「気温」が挙げられます。日々の挨拶や、手紙での時候の挨拶などでも気温の寒暖に触れられることが非常に多いです。日本では年間の気温変動幅が大きく、気温の変化を通じて季節の変化を感じて来ました。
 今回は気象の要素シリーズ第2弾として、「気温」について勉強していきます。

気温の定義について

気温の測定方法

日本の気温

高さによる気温の違い




・気温の定義について

 気温とは大気の温度のことを指します。単位は℃(摂氏)で表されます。ちなみにアメリカでは華氏という単位が使われており、摂氏で表した温度に1.8をかけて32を足すと華氏での温度になります。また気象の世界では、絶対温度(K)という単位もよく使用されます。摂氏で表した温度に273.15を足すと絶対温度になります。
 WMO(世界気象機関)での取り決めによると、地上気象観測では、気温は地表面上1.25〜2.0mの高さで観測することを基準としています。気象庁で測定される気温は、地上1.5mの高さを基準にしています。

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・気温の測定方法

 気温を測るものとして温度計があります。代表的なものとしてはアルコール温度計や水銀温度計が挙げられます。これらは、内部に封入した流体(アルコールや水銀など)の体積が温度によって変化するという性質を利用して温度を測っています。扱いが簡単なため、広く一般に用いられています。
 気象庁では、「電気式温度計」を使用して気温を測っています。これは、金属の抵抗が温度によって変化するという性質を利用しています。下図に実際に気象庁で使用されている温度計の感部の写真を示します。


図1:電気式温度計の感部

 この感部は雲母や磁器などの薄板に、直径約0.1mmの白金線を巻いたもの(白金測温抵抗体)を、熱伝導度が優れ腐食しにくいステンレス製の保護管に入れたものです。感部は日射の影響を防ぐため、ステンレス製の通風筒と呼ばれる円筒に入れられています。また、地表面で反射した日射が感部に直接あたるのを防ぐため、通風筒の下部には遮蔽板をつけています。通風筒内部への水滴付着防止のため、通風ファンを使用して5m/s程度の風を常に送っています。

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・日本の気温

 日本の国土は南北に長い形状をしており、気温も北と南では大きく違います。下図に、日本の4地点(札幌、東京、鹿児島、石垣島)の気温の月別平年値を示します。


図2:各地の気温の月別平年値

 図を見ると、場所によって冬季には20℃以上の気温差があることがわかります。また気温の年の変動幅も石垣島以外では大きくなっています。
 日本の気象官署で記録された2002年までの最高気温の第1位は40.8℃で、1933年7月25日に山形で記録されています。最低気温の第1位は−41.0℃で、1902年1月25日に旭川で記録されています。ちなみに石垣島での最高気温の記録は35.4℃で、日本本土の官署と比べるとあまり高くありません。これは石垣島が周りを海に囲まれた海洋性気候であり、気温の日変動や、年間の変動が小さいためです。

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・高さによる気温の違い

 気温は高度が高くなるにつれて下がっていきます。地表に近い対流圏では、太陽放射によってまず地表が暖められ、暖まった地表が大気を暖めるという過程を経るためです。これにより地表に近い方が気温が高くなります。気温の逓減率(高度に対する気温低下の割合)は平均して0.5〜0.6(℃/100m)です。下図に標準大気における気温の高度分布のグラフを示します。


図3:標準大気における気温の高度分布(対流圏)

 実際の大気では気温減率が小さくなったり大きくなったり、逆転層(高度が上に行くほど気温が高くなっている層)があったりして、もっとデコボコとしたグラフになっています。それでは対流圏より上では気温はどのようになっているのでしょうか?下図に標準大気における高度120kmまでの、気温の高度分布のグラフを示します。


図4:標準大気のおける気温の高度分布(120kmまで)

 地表から高さ約10kmまでの範囲を対流圏(troposphere)と言います。天気現象はほとんどこの中で起こっています。
 対流圏の上から高さ約50kmまでの範囲を成層圏(stratosphere)と言います。この層では上に行くほど気温が高くなっており、安定な成層状態にあります。高さ約25kmのあたりにオゾンの分布密度の極大層があります。このオゾンが加熱源となっていることと、上空に行くほど密度が小さくなり、熱容量も小さくなっていることによってこのような気温分布をしています。
 成層圏の上から高さ約80kmまでの範囲を中間圏(mesosphere)と言います。この層では上に行くほど気温が低くなっています。
 中間圏より上の範囲を熱圏(thermosphere)と言います。この範囲では上に行くほど気温が高くなっています。

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