高知地方気象台長の部屋

令和6年4月8日


高知地方気象台長

 高知地方気象台のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
令和6年4月1日に着任いたしました高知地方気象台長の藤本(ふじもと)です。
 高知地方気象台は、明治15年(1882年)3月1日に創立された高知県高知測候所での気象観測を出発点とし、現在は、高知城に近い高知地方合同庁舎において、各種観測や天気予報、大雨や地震の防災情報などを24時間365日、高知県のみなさまへ発信しています。
 3月23日には、全国のトップを切ってさくら(そめいよしの)の開花を観測しました。 私も着任してすぐに南国土佐の満開の桜を楽しませて頂くことが出来ました。 高知の豊かな自然、その自然の移ろいは私たちに季節の変化を感じさせてくれます。
 高知県は南には太平洋を臨み、北に四国山地がひかえている地形で、南から流れ込む暖かく湿った空気の影響や、 太平洋上を北上してくる台風の影響を受けやすく、全国的に見ても雨の多い地域です。雨は高知県の豊かな自然を育むと共に、時として大きな災害をもたらすこともあります。近年では、大きな災害をもたらす要因の一つとして線状降水帯に伴う大雨への関心や警戒が高まっています。
 
 気象庁では、この線状降水帯の予測精度の向上を目指し、観測の強化やスーパーコンピュータを用いた予測の強化を図っています。今年の出水期からは、線状降水帯に伴う大雨災害の可能性を、従来の四国地方全体から高知県など各県単位に絞り込んで、半日前からみなさんにお伝えできるように取り組んでいます。
 また、世界的に見ても日本は地震や火山の多い国ですが、その中でも南海トラフ地震については、歴史上繰り返し発生していることが分かっており、すでに前回の地震から70年以上経過した現在は、社会的にも次の発生に関する関心や警戒も高まっています。
 「天災は忘れられたる頃来る」
高知にゆかりの深い物理学者の寺田寅彦先生の有名な言葉です。 自然災害は何時かはやってくるというみなさま一人一人の心構えと日頃の準備もとても大事です。 桜のシーズンが終わって2か月くらい経つと今年の梅雨のシーズンがやってきます。 みなさまのご自宅や生活圏内の自然災害の可能性について、今のうちからハザードマップなどでの再確認をよろしくお願いします。
 高知地方気象台では、自然災害による被害を防止・軽減し、高知県のみなさまの安心・安全を守るために、また日頃の防災への準備をしっかりサポートするために、これからも気象台職員が一体となって適時適切な防災情報の発表に努めてまいります。 また高知県や市町村などの行政機関、防災関係機関や報道機関のみなさまと連携し、地域に根差した防災減災のためのきめ細やかな取り組みも進めてまいります。
 今後とも、高知地方気象台をどうぞよろしくお願いいたします。

令和6年4月
高知地方気象台長
藤本 英生(ふじもと ひでお)

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