高知県西南豪雨(2001年9月6日)


概要

気圧の谷の接近に伴い9月5日朝、九州南西海上に停滞していた前線上に低気圧が発生し、前線も次第に活動を強めた。この低気圧は5日夜までは九州南西海上に停滞していたが、その後東進し6日朝には九州北部沿岸、夜には山陰沖に進んだ。この低気圧から南東に伸びる活発な前線も低気圧の東進に伴い5日夜から6日朝にかけ高知県を北上した。前線に向かって太平洋高気圧の縁に沿った暖湿流や台湾の東海上に停滞している熱帯低気圧周辺からの暖湿流が南西風として流れ込み、前線の活動は一層強化した。

概念図

概念図



気象状況

活発な前線の北上に伴い、5日夜遅くから土佐清水市付近を中心とする高知県西部の南西部で雨雲が強まり、6日02時までの1時間に宿毛で56mmを観測した。また、03時までの1時間に宿毛で70.5mm、中村で66.5mmを観測し、解析雨量では土佐清水市付近で110mmを越える激しい雨となった。その後も強い雨雲は停滞を続け、06時までの1時間に大月町弘見(県)で110mmの猛烈な雨を観測した。 この大雨で、4400世帯に対し避難勧告が発令され、一部の集落は完全孤立し、自衛隊が災害派遣された。

被害写真(9月7日撮影)土佐清水市貝ノ川橋付近

被害写真



レーダー画像

レーダー画像



雨量表

雨量表