ドブソン分光光度計

測器概要

気象庁では、鹿児島では2005年3月まで、つくば、札幌、那覇では2018年1月までドブソン分光光度計を用いてオゾン観測を行いました。 現在は南極昭和基地において、ドブソン分光光度計を用いたオゾン観測を行っています。

アジア地区の精度維持への役割

気象庁では、世界気象機関(WMO)が進める全球大気監視(GAW)計画に対する責務として、アジア地区における世界較正センター(WCC)を設置しています。 このWCCの役割の一つとして、アジア地区におけるドブソン較正センター(RDCC)があります。 高層気象台では、アジア地区の基準となるドブソン分光光度計(測器番号:#116)を管理しています。

世界準器との相互比較による校正

世界気象機関(WMO)は、1977年にNational Oceanic and Atmospheric Administration(NOAA) / Climate Monitoring and Diagnostics Laboratory(CMDL)に設置したドブソン分光光度計(測器番号:#83)を世界準器(国際第一準器)と定めています。 世界準器は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の専門家により長期にわたる観測および実験を重ねて維持されています。

世界準器の校正は、ラングレー法を用いた絶対検定により行われます。 ラングレー法による絶対検定を行う場所は、大気汚染が極めて少なく日変化も小さい場所である必要があり、その条件に適したハワイのマウナロア観測所で1972年以来行われています。

ドブソン分光光度計の校正は、始めに世界準器と世界の地区準器(国際第二準器)との比較、次に地区準器とその地区内の現用測器との比較、というように各レベルにおける測器定数が順次決定されるようになっています。 このようにして世界のオゾン観測値の整合性が維持されています。

ハワイ・マウナロアでの世界準器との相互比較の写真

ハワイ・マウナロアでの世界準器との相互比較
(左:世界準器(#83)、右:気象庁が管理するアジア地区準器(#116))

ドブソン分光光度計の校正

南極昭和基地のドブソン分光光度計は、アジア地区準器と現用測器との相互比較を定期的に実施し、オゾン観測値の精度維持を行っています。

札幌での国内移動測器と現用測器との相互比較の写真

アジア地区準器と現用測器との相互比較

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