ブリューワー分光光度計

測器概要

ブリューワー分光光度計は、1973年にBrewerにより考案開発され、カナダ気象庁とトロント大学によって現形式が開発されました。 屋外(全天候型)で精密な自動観測が可能な測器であることから、世界100以上の観測点で利用されています。

測定原理

ブリューワー分光光度計は、回折格子を用いて太陽光を分光し、光電子増倍管でその光の粒子数を目的の波長毎に測定します。 高層気象台では1990年からMK-II型(分光を一回行う方式)の測器により観測を開始し、現在ではMK-III型(分光を二回行う方式)の測器を用いた観測を行っています。 このMK-III型の測器は、二回分光することで高精度の観測が可能となります。

回折格子は1mm当たり3600本のスリットが入ったもので、この回折格子をマイクロメータにより回転させることで任意の波長を選択し、分光器の出口スリットから光電子増倍管へ光を導きます。 波長別の紫外線の観測では、この方法により、通常290.0~325.0nm(最大で286.5~363.0nm)の波長域を0.5nm毎に測定しています。 一方、オゾンや二酸化硫黄の観測では、回折格子を固定し、分光器内のシャッター位置で目的の波長の光を選択します。

ブリューワー分光光度計(MK-Ⅲ型)外観の写真

ブリューワー分光光度計(MK-III型)の外観

ブリューワー分光光度計(MK-Ⅲ型)内部構造の写真

ブリューワー分光光度計(MK-III型)の内部構造

観測方法

測器は常に太陽方位を追尾し、観測は全て自動的に実施されます。

波長別紫外域日射観測は、日の出前30分から日の入後30分までの毎正時に行います。

オゾン全量観測については、オゾン層を通過する光線の相対的道のりが3.5以下となる時刻に常時観測を行い、反転観測については太陽天頂角が60度以上90度以下となる時刻に常時観測を行います。

1日の観測回数は、季節によって、また観測官署の地理的な位置によって異なります。

ブリューワー分光光度計の設置位置の写真

ブリューワー分光光度計の設置位置
(庁舎屋上の左中央)

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