天気の部屋

ここでは、私たちの身のまわりに起こっている様々な自然現象がどのような仕組みによって発生しているのか、人々に被害をもたらすような現象から身を守るために気象台がどのような情報を発表しているのかを知ることができます。

積乱雲
 (夕立をもたらす雲・夏の積乱雲)

 夏になると、日中は強い日差しが降り注ぐため、暑さが身にこたえますね。しかし、夕方になると、それまでの良い天気が一変し、急に雨が降ったかと思うと、すぐに止んでしまうことがあります。これが夏によく見られる夕立です。ここでは、夕立をもたらす雲である積乱雲についてお話します。

積乱雲とは?

 積乱雲は、雲の底の高さ(雲底高度)が地上付近から2,000mと低く、雲の高さ(雲頂高度)は10,000mを超えることがある、非常に背の高い雲です。また、積乱雲の上部は気温が氷点下であるため、ほとんど氷の結晶からできています。それより下の層では、多くは水滴でできています。

夏の積乱雲のできる仕組み

 図1に山岳部における積乱雲発生の模式図を示します。夏に太平洋高気圧に覆われると、地上付近の空気は高温多湿となります。また、夏は太陽の高度が高いため、強い日差しが地表面に降り注ぎます。この日差しによって、地表面の温度は急激に上がるため、地表面で暖められた地表面近くの空気は軽くなって上昇し、そこに海上の湿った空気が「海風」として流れ込みます。一方、山間部や内陸部では標高が高いため、日射の影響を受けた地表面の空気(図1の空気A)のほうが、海岸近くの同じ高さの空気(図1の空気B)より温度が高くなります。温度の低い空気Bは重いため下降し、温度の高い空気Aは軽いため上昇します。このため、斜面に沿って空気が上昇し、海風の流れと合流することから上昇気流を強めます。そして、空気が上昇すると、ある高さでその空気中の水蒸気が飽和して、雲ができはじめます。この上昇気流は非常に強く、積乱雲はその雲頂が10,000mに達するほど発達します。これが、積乱雲のできる仕組みです。

山岳部における積乱雲生成のメカニズム

図1 山岳部における積乱雲生成の模式図

積乱雲の写真

 2004年8月7日に松江地方気象台で観測した積乱雲の写真です。図2は、上述したように強い上昇気流によってできた積乱雲です。これを見ると、上空までモクモクと積乱雲が発達している様子が分かります。図3は最盛期の積乱雲です。雲頂が金床(かなとこ:金属加工で用いる作業代)のように、平らに広がっている様子がわかります。このように雲頂が平らになるまでに発達した積乱雲は「かなとこ雲」とも呼ばれます。

発達段階の積乱雲の写真

図2 発達段階の積乱雲

最盛期の積乱雲の写真

図3 最盛期の積乱雲