天気の部屋

ここでは、私たちの身のまわりに起こっている様々な自然現象がどのような仕組みによって発生しているのか、人々に被害をもたらすような現象から身を守るために気象台がどのような情報を発表しているのかを知ることができます。

夏の天気

夏の天気を梅雨期と盛夏期に分けて説明します。
1.梅雨期 (6月~7月中旬)
 梅雨(つゆ)とは春から夏へ季節が移り変わる過程で、ある期間、その前後の期間と比べて雨が多くなる季節現象のことをいいます。この梅雨は日本の農業、稲作には欠かせない季節です。外出するときに傘が手放せないために、嫌な季節だと感じている人もいるでしょう。さらに、6月末から7月になると、大量の雨が降ることがあります。この時期の大雨は大きな被害をもたらすことがあるので、注意する必要があります。

 図1は、2006年7月18日9時の地上天気図とそのときの島根県内の天気、最高・最低気温と気温分布を示したものです。梅雨期の天気図には、日本付近に東西にのびる前線が停滞しているのが特徴です。この東西にのびる前線を梅雨(ばいう)前線といいます。前線ができると、雲が広がり雨が降りやすくなります(前線の種類)。

図1 2006年7月18日9時の地上天気図(左図)と
島根県内の天気、最高・最低気温と気温分布(右図)


 2006年7月16日~19日に、山陰沿岸に停滞する梅雨前線の活動が活発となり、広い範囲で大雨となりました。この期間、鹿島では1日で206mm、赤名では194mm、佐田では181mm、大田では173mm、松江では171mmの降水量を記録しました。この大雨により県内では、死者4名、行方不明者1名、負傷者12名、住家全壊7棟、半壊6棟、一部損壊68棟、床上浸水371棟、床下浸水1,603棟の被害が発生しました(島根県消防課調べ)。


写真 2006年7月19日の松江市街の様子

-過去の災害-
【昭和47年7月豪雨】昭和47年7月9日から15日にかけて、中国地方に停滞する前線上をつぎつぎに小さい低気圧が通り、雷を伴った雨となり各地に被害が発生しました。県内各地の9日9時から15日9時まで6日間の総雨量は、三隅で709mm、佐田で593mm、東部半島部と伯太方面を除いてほとんどの地域が500mm以上に達しています。県内50カ所の観測所のうち3分の1近くが水没で観測不能、また、電話故障により通報不能となりました。このため実際にはさらに雨量の多かったことも考えられます。この豪雨で、宍道湖が氾濫、斐伊川、江の川、高津川が氾濫、浸水しました。死者・行方不明者28人、県内の住家の被害637戸、流出95戸、半壊1206戸、床上浸水10,905戸、床下浸水25,291戸の被害となりました。
【昭和58年7月豪雨】昭和58年7月20日から21日にかけて、低気圧が日本海を進んで梅雨前線の活動が活発となり、23日にかけて本州の日本海側を中心に大雨となりました。特に島根県西部の浜田では、1時間降水量91.0mm、日降水量331.5mm(いずれも23日)を観測するなど大雨となり、がけ崩れ、土石流、洪水が相次いで発生し、死者・行方不明者は100名を超えました。
【昭和63年7月豪雨】昭和63年7月13日から15日にかけて、県西部の大雨は「昭和58年7月豪雨」をしのぐもので浜田を中心に大災害となりました。

 気象台では、大雨による災害のおそれがあるときには大雨注意報を、さらに山くずれやがけくずれなど、重大な災害が起こると予想したときには大雨警報を発表しています。また、河川が増水し、堤防などが損傷するおそれがあるときには洪水注意報を、さらにそれによって重大な災害に結びつくと予想したときには洪水警報を発表しています。これらの注意報や警報が発表されたときは、特に注意と警戒が必要です。地面にひび割れができたり、がけから小石がばらばら落ちてきたり、斜面から水がふき出したりしたときは、山・崖崩れや土石流などの土砂災害が発生する前兆ですので、すぐに安全な場所へ避難しましょう。


2.盛夏期(7月下旬~8月)
 梅雨末期の大雨が終わるといよいよ梅雨明けです。中国地方の平年の梅雨入りは6月6日、梅雨明けは7月20日です。梅雨が明ける7月から8月前半にかけての代表的な天気図を示したのが図2の左図です。盛夏期の天気図は太平洋高気圧に覆われているのが特徴です。高気圧に覆われると、晴れることが多くなります(高気圧と低気圧)。この時期、島根県内では、晴れて暑い日が多くなり、各地で最高気温が30℃を超える日が続きます(図2の右図)。
8月下旬になると、上空の寒気や低気圧、前線の影響で局地的な強雨となったり、南から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となるために雨が降ることがあります。

図2 2007年8月24日12時の地上天気図と
右は島根県内の天気、最高・最低気温と気温分布


 梅雨期の前半は涼しく、後半は蒸し暑い雨が降ると感じる方も多いでしょう。島根県では、気温の平年値は6月から7月にかけて約5℃上昇し、7月から8月にかけては約1℃程度しか上がりません。また、広島、鳥取、岡山の各官署に比べ5~10%湿度が高くなっています。降水量は、鳥取、岡山より多いですが、広島より少なくなっています。
盛夏期になると、日射により地表面が暖められ、30分~数時間という短時間に雲が急発達し、局地的に強雨となることがあります。例えば、雲南地区や邑智地区など山沿いを中心に夕立が発生しやすくなります。そのときの、レーダーの画像を示したのが図3です(雲のできる仕組み、積乱雲へリンク)。また、このような場合、突風や雷を伴うことがあります。


図3 夕立が発生したときのレーダー画像
(2006年8月21日15時20分)

この日、島根県八束郡東出雲町では、落雷による高圧線断線で約110戸が停電しました。


参考