天気の部屋

ここでは、私たちの身のまわりに起こっている様々な自然現象がどのような仕組みによって発生しているのか、人々に被害をもたらすような現象から身を守るために気象台がどのような情報を発表しているのかを知ることができます。

秋の天気

 秋になると『天高く馬肥ゆる秋』という言葉を耳にすることがあります。秋の空は青く澄み渡っていて良く晴れ、馬は肥えてたくましくなるという意味で秋を語るときに好んで使われます。ここでは秋の天気の移り変わりを取り上げます。

秋の天気の移り変わり

 9月になると夏の高気圧(太平洋高気圧)が勢力を弱めて南へ後退し、代わって北の高気圧が次第に勢力を広げてきます。この境目には秋雨前線があり、ぐずついた天気が続きます。またこの時期にはしばしば台風が接近するため、前線の活動が活発になって大雨になることがあります。10月中旬になると前線は南に下がり、日本列島は移動性の高気圧に覆われることが多くなります。特に帯状の高気圧が日本を覆うときは晴れの日が続きます。図1は2004年10月24日9時の地上天気図です。高気圧が日本列島を広く覆っているのが分かります。このため松江では23日から25日にかけて晴れの日が続きました。


図1 秋晴れの時の地上天気図と県内の天気(2009年10月28日9時)

 9月はさわやかな秋が始まる月ですが、秋らしい天気となる前に長雨の時期があります。松江、浜田、西郷の月降水量の平年値を比べてみると(表1)、梅雨時期にあたる6月、7月は当然降水量が多いのですが、9月の降水量も意外に多いことが分かります。

表1 島根県の月降水量の平年値(mm)
5月 6月 7月 8月 9月 10月
松江 134.6 189.8 252.4 113.7 197.9 119.5
浜田 144.9 197.3 276.5 122.7 180.8 103.0
西郷 139.8 171.7 219.7 121.1 224.7 114.2

*平年値は1981年~2010年の平均です。

島根の秋

松江地方気象台から見た宍道湖の夕暮れの写真(2004年10月15日18時)

図2 松江地方気象台から見た夕暮れの写真
(2004年10月15日18時)

 移動性高気圧は周期的にやってくるため、秋の天気は春と似ていて変わりやすいのが特徴です。しかし、春の空は白っぽく、ほこりっぽいのに対して、秋の空は青く澄み渡っています。これは、春は日差しが強まるために、地面が暖められて対流が起こりやすく、冬に枯れた植物がまだ十分繁殖していないため、ちりが舞い上がりやすいためです。一方、秋は日が短くなり、地面が冷えていくので大気の状態は安定し、風の乱れも少なくなります。図2は2004年10月15日18時に松江地方気象台から見た宍道湖の夕暮れの写真です。この日も移動性高気圧に覆われてよく晴れました。また、この季節の夜によく晴れて気温が下がり、風が弱くなると、明け方から朝にかけて霧が発生することが多くなります。「放射冷却」を参照。

 霧について詳しいことは「霧ともやと露」で紹介しています。