天気の部屋

ここでは、私たちの身のまわりに起こっている様々な自然現象がどのような仕組みによって発生しているのか、人々に被害をもたらすような現象から身を守るために気象台がどのような情報を発表しているのかを知ることができます。

放射冷却 ー雲がある場合とない場合の違いは何か?!ー

 風が弱く晴れた日の夜から明け方にかけて、冷え込みが厳しくなることがあります。この冷え込みには、放射冷却が関係しています。放射冷却とは、地表面が熱を放射して温度が下がり、付近の気温が下がる現象です。

放射とは??

 すべての物体は、物体の温度に対応した電磁波を、あらゆる方向に放射しています。放射とは、高温の物体から低温の物体にエネルギーが伝達される現象です。その結果、高温の物体の温度は下がり、低温の物体の温度は上がります。

雲がある場合とない場合の放射

 まず、夜間、上空に雲があるときについて考えてみましょう(図1左)。地表面から放射されたエネルギーの一部は、雲によって吸収されます。雲は吸収したエネルギーを放射します。雲から地表面の方向へ放射されるエネルギーによって、地表面は暖まるため、上空に雲がない場合と比べて、気温は下がりにくくなります。

 次に、夜間、上空に雲がないときについて考えてみましょう(図1右)。地表面から放射されたエネルギーの多くは、雲による吸収がないために、宇宙へと放射されます。雲がない夜は、地表面では上空にエネルギーを放射しますが、雲から地表面へのエネルギーの放射がないために、気温が下がります。つまり、夜間に雲がない場合には、気温が下がり続けます。そのため、冷え込みが厳しくなる時刻は、明け方の日の出前が多いです。

放射冷却のメカニズム

図1 放射冷却と雲の関係 夜間雲がある場合(左図)、夜間雲がない場合(右図)