天気の部屋

ここでは、私たちの身のまわりに起こっている様々な自然現象がどのような仕組みによって発生しているのか、人々に被害をもたらすような現象から身を守るために気象台がどのような情報を発表しているのかを知ることができます。

 幼い頃から「なぜ虹はきれいなのか?」「どんな時に虹を見ることができるのだろうか?」と、虹に魅了されつつも、虹に対する多くの疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。ここではそんな不思議な天空の贈り物である、虹について取り上げます。虹とはいったいどのような現象なのでしょうか。

虹を見るチャンスは?

 雨が止んだ直後、あるいはまだ雨が止んでいない時に日射があると、太陽のある方向と逆の方向を見てみましょう(図1)。幸運な場合、きれいな虹の全体あるいは虹の橋の一部分を見つけることがあります。太陽高度が高い日中は虹は低くしか見えませんが、太陽高度が低い朝や夕方には大きくきれいな虹がみられます。

虹のしくみの概念図

図1 観測者から虹を見ることのできる配置

虹の発生の仕組み

 太陽光線は、赤や紫など、いろいろな波長をもつ光の集まりなのですが、光は波長によって色が変わり、波長の長い順に赤・橙・黄・緑・青・藍・紫となっています。また、光は異なる物質の境界で進行方向が変わる性質があり(「屈折という」)、その変わる度合いを「屈折率」といいます。その光の屈折率は、波長が長くなるほど小さく、屈折率の小さい順に、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫となっています。ここで太陽を背にして雨粒で反射した光を見る場合を考えてみます。太陽光線は雨粒の表面で屈折して雨粒内に入ります。屈折して雨粒内に入った光は、雨粒の反対側で反射し、さらに雨粒内を出て行くときも屈折し、観測者の目に入ってきます。(図1、図2)この時に光の色(波長)によって屈折率が違い、波長の長い光(赤)ほど屈折率が小さいため、地平面に対して大きな角度で進んできます。逆に波長の短い光(紫)は地平面に対して小さな角度になります。(図3)このため赤い光は最も高い位置(虹の最も外側)に見え、紫の光は最も低い位置(虹の最も内側)に見えます。その他の色の光は赤と紫の間に順番に並んで現れ、こうして見える虹を「主虹」といいます。また、図4のように光が雨粒の中で2回反射してくる場合があり、この場合は、「主虹」とは逆に紫の光が高い位置に見えます。こうした虹を「副虹」といいます。(図5)

光の反射・屈折の仕方の概念図(主虹)

図2 光の反射・屈折の仕方(主虹の場合)

光の反射・屈折の仕方の概念図(副虹)

図3 異なる色の光による屈折の違い(主虹)

異なる色の光による屈折の違いを表した図(主虹)

図4 光の反射・屈折の仕方(副虹)

異なる色の光による屈折の違いを表した図(副虹)

図5 異なる色の光による屈折の違い(副虹)

虹の写真

 下に松江地方気象台で観測した虹の写真を掲載します。この写真では2つの虹がきれいに現れています。内側の虹は主虹で、外側の虹は副虹です。副虹の方は主虹に比べて、ぼんやりしているのが分かります(写真1)。

虹の写真

写真1 松江地方気象台から見た虹