天気の部屋

ここでは、私たちの身のまわりに起こっている様々な自然現象がどのような仕組みによって発生しているのか、人々に被害をもたらすような現象から身を守るために気象台がどのような情報を発表しているのかを知ることができます。

霧ともやと露

 夜間に晴れて風が弱いとき、明け方から朝の内にかけて霧が発生することがあります。霧が濃くなり視程※が悪くなると、飛行機の離着陸が困難になったり、車の運転をすることが危険な状態になります。霧と同じように視程が悪くなる「もや」という現象もあります。また木の葉などに「露」が降りるという現象もあります。「霧」、「もや」、「露」はどんな現象で、なぜできるのでしょうか。また、気象台が発表している濃霧注意報とはどのようなときに発表されるのか、詳しくみていきましょう。

※視程とは水平線の空を背景とする適当な大きさの黒い目標を識別できる最大距離のことです(図3)。視程を測るためには、各方向に観測点から距離の分かっている目標物を決めておきます。各方向のうち、そのときに見通せるいちばん近い目標物までの距離が視程となります。

霧、もや、露のできるしくみは?

 水が気体の状態である水蒸気には、重要な次の2点の性質があります。

  1. ある空気中に、飽和状態で存在できる水蒸気の量は温度によって決まっています。この量のことを飽和水蒸気量といい、空気の温度が高いほど多く、温度が低いほど少ないという性質があります(図1)。
  2. 飽和状態ではない空気の温度が下がると、飽和水蒸気量が小さくなり、やがてその空気中の水蒸気量はその温度の飽和水蒸気量に等しくなります。この状態はいわば水蒸気が定員いっぱいの状態です。さらに温度が下がるとさらに小さくなった飽和水蒸気量しかその空気中には存在できないので、定員をオーバーして居場所のなくなった水蒸気は凝結して水滴となります。
温度と飽和水蒸気量の関係

図1 温度と飽和水蒸気量の関係

 1.より、空気が冷えると、飽和水蒸気量は減っていきます。そして、飽和水蒸気量が空気中の水蒸気量を下回った時、2.より、定員オーバーの水蒸気が凝結します(図2)。このときの温度を「露点温度」といい、まさに「露」を結ぶ温度のことをいいます。冷たい地面などによって地表付近の空気が冷やされて露点温度に達すると、空気中の余分な水蒸気が液体の水に変化し、地面近くの草などに付きます。これが「露」です。

 「霧」や「もや」もこれと同じ仕組みで、地表近くで露点温度より温度の下がった空気の中で水蒸気が凝結して水滴になる現象です。「雲」は同じ現象が上空で起こった場合です。

凝結の起こる仕組みの概念図

図2 凝結の起こる仕組みの概念図

「霧」と「もや」との違い

 「霧」と「もや」はどちらも地表近くに小さな水滴が浮遊している現象です。両者は水滴の密度による視程の違いで区別されます。

 「霧」は視程が1km未満になった場合で、「もや」は視程が1km以上10km未満の場合です。霧がさらに濃くなり、視程が陸上で100m以下、海上で500m以下の場合を「濃霧」と呼びます(図3)。

現象(もや、霧、濃霧)と視程の関係

図3 現象(もや、霧、濃霧)と視程の関係

松江市内に発生した霧の写真

写真1 松江市内に発生した霧

濃霧注意報

 気象台では、濃霧によって交通機関に著しい障害が起こるおそれがある場合に、濃霧注意報を発表しています。松江地方気象台では、視程が陸上で100m以下、海上で500m以下となるときに発表します。