松山地方気象台

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■愛媛県の気象特性について■
■愛媛県の地形

 愛媛県は、四国地方の北西部に位置し、県域の南側は四国中央部を東西に横断する四国山地で、北側から西側にかけては瀬戸内海から宇和海に至る長い海岸線で囲まれた細長い区域と、海上に点在する約200余りの大小の島々によって形成されています。

 四国山地西部にあたる県域の南側には近畿以西の西日本最高峰である石鎚山(標高1982m)をはじめ標高の高い山々がそびえ、これらの山々から重信川、肱川など多くの河川が流れ、流域には平野や盆地が形成されています。

 また、九州地方との間には日本最長の半島である佐田岬半島が延び、宇和海にはリアス式海岸も見られ、海岸線の総延長は全国5番目の約1,700km(平成21年現在)にも及びます。

標高図
■愛媛県の気象

 愛媛県は、瀬戸内海地域の地理的な影響を受けた気候として、降水量は比較的少なく晴天が多く、相対的に乾燥しています。
 一般的に、冬は北西の季節風、夏は南東の季節風が卓越しますが、瀬戸内海地域はいずれの季節風に対しても風下側となり、風上側で雨や雪を落としてしまい天気は比較的穏やかとなります。

 このように愛媛県は降水量が少なく穏やかな気候ですが、東予・中予地方の瀬戸内海側と南予地方の宇和海側(豊後水道)では気候が変わります。
 たとえば、冬の北西の季節風は、中予では中国山地が風をブロックするため弱く、南予では関門海峡を吹き抜けてくるため強くなります。1月の強風日数(最大風速10m/s以上)の平年値でくらべると、松山での0.0日に対し、宇和島では8.1日もあります。

 また、春から梅雨期にかけては瀬戸内海を中心に濃霧が発生するなど、気象現象は複雑できわめて変化に富んでいます。

イラスト 1 雨について

 降水量は、瀬戸内側で少ないのに対し、宇和海側では多く、山地ではさらに多くなります。

 年間降水量は、瀬戸内海側の今治で約1,200mmとなっており、これは日本でも降水量の少ない地域にあたります。このほか、瀬戸内海側の新居浜・松山で約1,300mm、宇和海側の宇和島で約1,650mm、山地の成就社で約2,700mmとなっています。

 月別の降水量でみると、県内全般に6月、7月および9月に梅雨や台風、秋雨などの影響で多くなっています。

 冬期(12月~2月)は年間を通じて最も少なくなりますが、南予及び山間部では北西の季節風に伴う降雪や降雨による影響で約180mm~270mmとなり、県内の他の地域に比べて多くなっています。

2 気温について

 県内の年平均気温は16℃前後で、内陸の山間部に入るに従い気温は下がり12~15℃となります。

 真夏日(最高気温が30℃以上)の年間の日数は、海に近い長浜・瀬戸及び山間部の久万で30日程度ですが、松山・宇和島では60日を超え、盆地にある大洲では70日に達します。

 一方、冬日(最低気温が0℃未満)の年間の日数は、沿岸部の松山南吉田(松山空港)・新居浜・四国中央・長浜・瀬戸で10日未満と少ないのに対し、南予の宇和・近永では50日程度と多く、山間部の久万では90日に達します。

イラスト
イラスト 3 雪について

 愛媛県の雪の特徴は、冬型の気圧配置で東予・中予の山間部及び南予において雪が降りやすく、特に中予の山間部で積雪が多くなる傾向があります。
 また、2月~3月ごろ四国の南岸を低気圧が通るときの積雪は、東予から中予の平野部で多くなり、南予の一部、さらに島しょ部に及ぶこともあります。

 松山における平年の初雪日は12月21日、年間の降雪日数は12.9日、積雪日数は2.3日、積雪の深さの最大値は34㎝となっています。

4 風について

 風向・風速は地形の影響を強く受けるため、地形の複雑な愛媛県では地域による差が大きくなります。

 冬は季節風が卓越し、主風向はほぼ全域で西~北西となります。特に瀬戸内海の島々や沿岸地方では西よりの風になることが多く、風速は他の地域に比べて強くなります。

 夏は一般的に風が弱く、海陸風が卓越する沿岸部では風向が海岸線に左右(海陸風は海岸線に対し直角の方向に吹きやすい)されて地域差が大きくなります。

 春及び秋は天気の変化と同様に風向・風速とも変動が大きくなります。

 年間の強風日数(最大風速10m/s以上)は、松山で1.1日ですが、沿岸部の松山南吉田(松山空港)で約80日、瀬戸で約90日、宇和島では約41日あり、冬期の12月から3月にかけて強風が発生しやすくなります。
 このほか強風日数の多い地点は、大三島で約22日、長浜で約32日、新居浜で約15日等がありますが、これらはいずれも局地風が吹きやすい地域です。

イラスト
※局地風について

 愛媛県には、いくつかの特徴的な強風(局地風)が見られます。

 東予東部では、台風や低気圧が日本海を通過するときに「やまじ風」と呼ばれる南よりのおろし風が吹くことがあります(春と秋に多い)。
 この「やまじ風」は、「清川だし(山形県)、広戸風(岡山県)」と並び"日本三大悪風"と呼ばれることもあり、顕著な例になると、住家や農作物等への被害や電柱が折れたり大型のトラックが横転するなど、場合によっては死者が出るほどの大きな被害をもたらすこともあります。
 とりわけ昭和20年の枕崎台風や昭和26年のルース台風の時に発生した「やまじ風」では倒壊家屋数が百数十棟に及ぶ記録に残る大災害となりました。

 肱川河口付近では、秋から初冬にかけての晴天時に「肱川あらし」と呼ばれる強風が吹くことがあります。
 これは大洲盆地と伊予灘で大きな気温差が生ずることによって吹く風で、地形による収束の効果が加わった南よりの(川筋に沿った)強風です。早朝から昼頃にかけて発生し、霧を伴うことが多くあります。

 宇和島市付近では、春から初夏にかけて低気圧が四国の南を通過する時に「わたくし風」と呼ばれる東よりのおろし風が吹き、農作物などに被害が発生することがあります。

イラスト 5 霧について

 県内の霧は、春から梅雨期にかけて瀬戸内海で発生することが多い「移流霧」と、秋から初冬にかけて内陸や盆地に発生することが多い「放射霧」などがあります。

 濃霧が発生すると見通しがきかないため、航空機や船舶を中心に交通機関の運航の障害になります。特に瀬戸内海域で発生する海難事故は濃霧が原因である場合が多くあります。


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