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台長メッセージ

長崎地方気象台長 中野 俊也(なかの としや)
2019年4月1日~

2020年4月

日ごろより長崎地方気象台ホームページをご利用いただきありがとうございます。

長崎県は、五島列島、壱岐島、対馬など多くの島しょがあり、県境は広範囲にわたっています。また、平坦地が少なく、河川は急勾配で短く、海岸線は複雑で全国2位の長さです。気候は、海に面しているため温暖で寒暖差は小さいのですが、冬は季節風による強風や寒波の影響を受けることがあります。

長崎県では、気象はもとより地震、火山、海洋等の振る舞いによる多くの災害が発生しています。平成30年(2018年)7月、令和元年(2019年)7月、8月の大雨特別警報発表時には、多くの場所でがけ崩れなどが発生しました。過去には、昭和32年(1957年)の諫早豪雨や、昭和57年(1982年)の「昭和57年7月豪雨」(長崎県は「7.23長崎大水害」と命名)など、多くの人命が失われた災害が発生し、現在も当時の様子が語り継がれています。また、平成2年(1990年)に198年ぶりに雲仙岳が噴火し、溶岩ドームの崩落による火砕流や土石流によって大きな被害がでました。現在も当時形成された溶岩ドームの約半分が残っており、崩落に対する警戒が必要となっています。ほかにも、長崎湾では、冬から春にかけて、急激な潮位変化と激しい潮流を伴う副振動(長崎の方言では「あびき」)が発生し、係留された小型船舶の転覆、道路の冠水や住宅の浸水被害が起こっています。

長崎地方気象台では、地域の気象防災に一層貢献するための取り組みを推進していきます。そのため、県、南部、北部および島しょ部の4つのチームを作り、防災情報だけでなく、気象はもとより地震・火山・海洋、さらに地球温暖化などの地球環境の変化に係る情報が効果的に活かされるよう、日ごろから関係機関および県や市町との連携を強化していきます。

そして、災害をもたらす可能性のある大雨や台風などについては、早い段階から関係機関と連携して県や市町の担当者に、直接今後の気象状況の見通しについて解説・助言を行い、少しでも被害の防止・軽減につながる情報発表を心掛けます。また、災害発生後には、被災地に「気象庁防災対応支援チーム(JETT)」を派遣し、被災した自治体を支援します。そのため、これまで課題であった離島の支援について、長崎海上保安部の巡視船艇の使用に関する協定を締結し、準備を整えました。さらに、災害後には、県や被災した市町と、災害発生時の気象情報と対応状況の意見交換をする「振り返り」を行い、次に備えてもらいます。

このような、「平時」、「緊急時」および「災害後」の取り組みを円滑にするため、台長から担当者まで「顔の見える関係」を構築していきますので、よろしくお願いいたします。