1971年(昭和46年) 7月 対馬北部の大雨

概況

21日、バイカル湖南東に寒気が現れ南下し始め、台風第16号はバシー海峡の西に移動して、九州付近には南西から湿った空気が流入する条件が整った。 このため21日午後から県内全域に雷を伴った雨が降るようになった。22日早朝、前線は対馬海峡まで北上し、対馬地方では南下してきた寒気によって強められた前線の影響を受けて雷を伴った強い雨となり、上県町佐須奈では06時から08時の2時間で125mmの集中豪雨となった。 その後前線は南下し、県本土に強い雨を降らせて、23日夕方には県内の雨は一旦終息した。 24日夜になって前線は再び北上をはじめ、バシー海峡の東に近づいた台風第18号からの暖かく湿った気流が九州に流入しはじめた。このため長崎県南部から雷活動が活発化し、25日の朝にかけ大雨となった。厳原では25日の11時から12時までの1時間に84mmの猛烈な雨を観測した。 佐須奈では25日22時40分から26日01日までの2時間20分で108.5mmを観測した。

昭和46年7月23日09時,21時の天気図

県内の被害

死者4人
重軽傷11人
全壊家屋14棟
床上浸水1957棟
橋梁流失22件
堤防決壊 1件
山がけ崩れ209件

各地の日雨量(mm)

21日22日 23日 24日 25日
佐須奈199137 10 416 25
佐賀12446 7 178 4
仁位9363 11 145 7
小茂田10335 8 166 3
長崎10447 198 0 6
大村7745 78 2 0

厳原測候所の毎時雨量(mm)

  時\日7月21日 22日 25日
1 5.0
2 16.5
3 26.0
4 9.5
5 0.0
6
7
8 1.5
90.5 10.5
100.0 6.0
111.5 30.5
1215.5 0.0 83.5
130.0 7.5 12.5
140.0 1.5 6.5
153.0 0.5 1.0
160.0 0.0 1.5
173.0 0.0 2.0
1810.0 0.0 5.5
190.5 0.0 0.0
200.5 0.5 3.5
210.0 0.5
220.5 0.0
230.0 2.5
240.0 0.5
日計47.0 74.0 168.0
総計 289.0
1時間最大 87.0
同上起日時 25日10:50~11:50