奈良地方気象台ホームページ ホーム>奈良県における気候変化

1. はじめに

 近年の大気中の温室効果ガス濃度の増加が、地球のエネルギー収支の不均衡をもたらし、その結果として地球が温暖化していると考えられています。
 ここでは、奈良の気候の変化を中心に記述しています。

2. 奈良のこれまでの気候変化

《気温》
奈良における年平均気温の経年変化  奈良の気温は、数年~数十年の様々な周期の変動を繰り返しながら長期的に上昇しています。
  1954年以降50年あたりで、平均気温は1.0℃、最高気温は1.1℃、最低気温は0.8℃上昇しています。奈良では最高気温の上昇が最低気温を上回っていますが、全国的には最高気温よりも最低気温の上昇のほうが顕著です。 また、最低気温が0℃未満である冬日は14日減少、最低気温が25℃以上である熱帯夜※の日数は4日増加、最高気温が30℃以上である真夏日の日数は11日増加、最高気温が35℃以上である猛暑日の日数は9日増加しています。
 奈良の気温の上昇には、地球温暖化に伴う長期的な上昇傾向に、都市化に伴う昇温の影響や数年~数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動が重なっていると考えられます。
※熱帯夜は、夜間の最低気温が25℃以上の場合を指すが、ここでは日最低気温が25℃以上の日として扱っています。

《降水量》
奈良における降水量の経年変化  奈良の降水量は、年ごとの変動幅が大きく、はっきりした傾向はありません。また、奈良県内アメダス1時間降水量30ミリ以上の年間観測回数は、50年当たりで21 回増加しています。


《生物》
ソメイヨシノ開花の平年値との差  気象庁では、植物の開花、満開、紅(黄)葉や動物の初見、初鳴などを観測しています(生物季節観測)。 生物季節観測は、生物に及ぼす気象の影響を知るとともに、その結果から季節の遅れ進みや気候の違い・変化など総合的な気象状況の推移を知ることを目的としています。
ソメイヨシノの開花は1954年以降50年間あたりで約6日早まり、イロハカエデの紅葉は約20日遅くなっています。
 桜は、夏に翌春咲く花のもととなる花芽を形成します。 花芽はそれ以上生長することなく休眠に入り、秋から冬にかけて一定期間低温にさらされると休眠から覚めます。 その後、春先の気温の上昇とともに発育し、開花します。
 一方、落葉樹は秋になり気温が下がると葉のクロロフィルという色素が減少し、葉が紅や黄色になると言われています。
 「ソメイヨシノの開花日」が早まる傾向や「イロハカエデの紅葉日」が遅くなる傾向は、これらの現象が発生する時期における長期的な気温上昇の影響が考えられます。


3. 気候の将来予測

《気温》  「地球温暖化予測情報第8巻」によれば、「21世紀末(2076~2095年:将来気候)」の奈良県の年平均気温は、「20世紀末(1980~1999年:現在気候)」に比べて2.9℃の上昇が予測されていて、夏より冬の気温上昇が大きいと予測しています。また、最低気温が0℃未満である冬日は37日減少、最低気温が25℃以上である熱帯夜の日数は22日増加、最高気温が30℃以上である真夏日の日数は34日増加、最高気温が35℃以上である猛暑日の日数は14日増加を予測しています。

《降水量》
 21世紀末の奈良の降水量は、20世紀末に比べて140ミリの増加を予測していて、無降水日数(雨の降らない日)も増えると予測しています。また、日降水量100ミリ以上の大雨も0.4日増加、1時間降水量30ミリ以上の激しい雨も1.1日増加を予測しています。

4. 気象庁の取り組み

 気象庁では、地球温暖化を始めとする地球環境問題に対して積極的に取り組んでいます。
 「気候変動監視レポート」として、 世界や日本の気候変動や温室効果ガス、オゾン層の状況について年に1回刊行しています。また、月に1回気象庁HPで速報を発表しています。
 「地球温暖化予測情報」では 温室効果ガスの増加に伴う日本付近の詳細な気候変化の予測を行っています。 また、「異常気象レポート」を5年に1回刊行し、地球環境の現状や変化の見通しを公表しています。
 このように実態を把握し、将来の予測を立ててその影響を評価し公表することで、地球温暖化に関する理解や、対策検討資料としての活用の促進を図っています。また、これらの気候変化に関するデータ等の提供も可能です。

 気象台では広報活動の一環として、地球温暖化に関する「出前講座」を行っています。 ご希望の方は業務・危機管理官室までお問い合わせ下さい。

5. 地球温暖化に関連したウェブサイト

気象庁 地球環境・気候
近畿・中国(山口県を除く)・四国地方の気候変動(2013年版)
環境省
奈良県の環境情報サイト エコなら
全国地球温暖化防止活動推進センター

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