北陸地方の天候(解説)
季節ごとの天候の変化(平年の様子)
ここでは、北陸地方の平年の天候が季節とともにどう変わり、 それがどのような大気の流れによってもたらされているかについて解説します。

北陸4県の配置
北陸地方の平均気温は、季節の進行とともに上昇・下降し、北陸4県での傾向の違いは見られません。 降水量と日照時間については、秋から冬は、日照時間が少なくて降水量が多く、 春から初夏及び盛夏期は日照時間が次第に増加する季節で、晴れる日も多くなります。 梅雨時期の7月は、降水量が多くなっています。
降雪量については、沿岸部の地点に比べて内陸部や山沿い・山地では多い傾向 (メッシュ平年値図 最深積雪)となっています。特に、新潟県は新潟市と比べ上越市高田で多い傾向となっています。

北陸地方の四季の特徴
春(3~5月)

前日北海道付近にあった、前線を伴った低気圧はオホーツク海に進み、 代わって移動性高気圧が本州付近を覆った。北陸地方は薄雲が広がったものの、穏やかに晴れた。

春季(3~5月)は、低気圧と高気圧が交互に日本付近を西から東へ通過します。 低気圧の通過前には南からの暖かい空気が流れ込み、気温が上昇します。 一方、低気圧の通過後には北からの冷たい空気が流れ込み、気温が下降します。 北陸地方の気温はこうした短期の変動を繰り返しつつ、次第に上昇していきます。 また、冬季には少なかった晴れ日数も3月から5月にかけて次第に増加していき、 3月下旬には降水日数とほぼ同じとなり、4月以降は降水日数を上回るようになります。
夏(6~8月)

太平洋高気圧が南から本州付近を広く覆った。 北陸地方60か所のアメダス地点の全てで最高気温が30℃以上の真夏日、 8地点で35℃以上の猛暑日となった。

夏季(6~8月)のうち、6月中旬から7月下旬は梅雨の時期となります。 梅雨末期には、太平洋高気圧の縁辺を回る湿った空気が梅雨前線に流れ込み、 局所的に大雨となることがあります。 梅雨明け後は、太平洋高気圧の張り出しが強まり、北陸地方は晴れて暑くなります。 8月は1年のうちで晴れ日数が最も多い月です。台風が西日本を北上したり、 夏季に限らず低気圧が日本海で発達する場合には、 台風や低気圧に向かって吹きこむ南よりの風が中部山岳を越えて北陸地方に吹き下り、 強風や急激な昇温をもたらす、フェーン現象が発生することがあります。
秋(9~11月)

前日に北海道付近を低気圧が通過した後、北日本中心の冬型の気圧配置となり、 晴れと雨を繰り返す「しぐれ」の日となった。 富山県の立山で平年より早い初冠雪を観測した。

秋季( 9~11月)は、低気圧と高気圧が、交互に日本付近を西から東へ通過します。 雨の日と晴れの日が交互に現れるようになりますが、11月ごろになると、 低気圧の通過後に一時的に冬型の気圧配置となり、寒気の影響で曇りや雨となる日が次第に増えます。 なお、大陸からの寒気が日本海の海面で暖められて発生した対流雲が次々に通ることで、 1日の中で晴れや曇りが繰り返し、断続的に雨や雪の降る「しぐれ」の日となることがあります。 このようにして、季節の進行とともに北陸地方の気温は次第に低下します。
冬(12~2月)

低気圧が日本のはるか東海上で猛烈に発達し、大陸からはシベリア高気圧が日本付近に張り出した。 日本付近は典型的な、西高東低の冬型の気圧配置となった。 北西の季節風が強く、北陸地方の山沿いで降雪量が多くなった。

冬季(12~ 2月)は、ユーラシア大陸でシベリア高気圧が勢力を増し、 北太平洋北部ではアリューシャン低気圧が発達して、西高東低の冬型の気圧配置となります。 シベリアから流れ込んだ寒気は、日本海で雪雲を発生させるため、 北陸地方では曇りや雪または雨の日が多くなります。
冬型の気圧配置が強いと、雪雲は山沿いや山間部で発達して大雪をもたらします。 また上空の寒気が強いと平地でも大雪となります。 また、雷の発生頻度が夏季ではなく冬季に大きいのも、北陸地方の特徴です。