新潟地方気象台長 メッセージ


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 新潟地方気象台のホームページをご覧いただきありがとうございます。
 台長の西尾利一(にしおとしかず)です。

 新潟県は越後平野・高田平野の広大な平野と多くの山脈、丘陵を有し、信濃川・阿賀野川をはじめとした多くの川と、佐渡島、粟島とそれを囲む日本海に面しています。これら特徴をもつ地形と海は私たちに四季を通じてさまざま美しい風景を見せてくれるとともに、多くの恵みをもたらせてくれます。
 しかしこの豊かな自然が、時として私たちの生活を脅かすことがあります。
 気象に目を向けると、日本海側気候の県内は、日本海の暖流(対馬海流)の影響で緯度の割には冬も温暖で、日本海から共有される豊富な水蒸気は県内へ雨や雪をもたらします。この雨や雪は、時には大雨(平成16年、平成23年の新潟・福島豪雨)や豪雪(昭和38年、昭和56年等)などの自然災害をもたらします。近年も、令和2年冬季は高速道路の自動車の立往生や上越市で9年振りに一斉屋根雪下ろしに至るような大雪、令和3年冬季は降り続く雪により津南で観測史上最高の419センチメートルの積雪を記録するなど、私たちの生活に少なからぬ影響を与えています。
 自然災害は気象だけではありません。地震災害では令和元年に山形県沖を震源とする地震が発生し、県内では村上市で震度6強を観測しましたが、地震や津波への備えも怠れません。さらに、県内には新潟焼山や妙高山などの活火山を有します。これら活火山と共存しつつも、火山災害を引き起こすような火山現象やその前兆活動にも留意する必要があります。
 気象台は、これら自然災害の兆候をいち早く察知し皆様にお伝えするため、気象や地象などの観測・監視を絶え間なく行うとともに、さまざまな気象情報を発表しています。また、これらの気象情報を皆様に的確に利用していただくため、日頃より防災関係機関や住民の方々に対して、気象情報の利用についての解説や防災に関する知識の普及に努めています。そして大雨や大雪などの異常時には、市町村等へ直接ホットラインを実施して警戒を呼び掛けたり職員を派遣して防災活動を支援するなど、台の総力を挙げて災害の防止・軽減に取り組んでいます。
 気象台は情報の力で、自然災害から皆さんの命と暮らしを守ります。これからも、より一層分かりやすい気象情報の提供と、地域と連携した防災・減災に貢献してまいります。




令和4年4月
新潟地方気象台長 西尾 利一