沖縄気象台長挨拶

台長

 沖縄気象台は、全国11の地方予報区の一つ「沖縄地方」を担当し、南大東島、宮古島、石垣島にある地方気象台、那覇空港の航空測候所とともに、広い海と多くの島を抱える広大な管内に対し、日々さまざまな情報を提供しています。

 わが国の気象業務は、明治 8 年(1875 年)6月1日に、気象庁の前身である内務省東京気象台が気象観測を開始したことに始まり、令和7年の同日には150周年を迎えます。沖縄地方の気象業務も歴史が古く、明治23年に、現在の那覇市松山に「沖縄県立那覇二等測候所」が創設されて始まりました。その後、火災による消失・再建や、太平洋戦争による廃止と再開を経て、昭和47年の本土復帰を機に「沖縄気象台」となりました。

 この長い歴史のなか、私たちは、先端の科学技術を取り入れながら気象の監視と予測技術を高め、気象台から提供する情報を高度化してきました。そして、この高度化した情報を地域の防災活動や社会経済活動でしっかりと使っていただけるよう、地方公共団体をはじめとする関係機関との連携や、多様な利用者の皆さまとの対話を進めています。

 近年、地球温暖化の進行に伴い、気温や海の温度が上昇し、海面水位が上昇し、また大雨や強い雨の頻度が増加傾向にあるなど、雨の降り方に変化が見られています。そして将来、日本付近の台風が強くなっていくといった分析もあります。また、沖縄は、南西諸島海溝や沖縄トラフ沿いで地震活動が活発な地域にあります。海に囲まれているので、国内外の大きな地震に伴う津波も懸念されます。

 一方で、暖かい気候に豊かな自然、魅力にあふれる沖縄は人気の観光地でもあります。

 沖縄気象台は、関係機関と連携し、対話し、県民の皆さまや沖縄を訪れる多くの方々の安心・安全等に役立つ気象情報を適切に届けられるよう、尽力してまいります。

令和6年4月1日   
沖縄気象台長 太原 芳彦