平年と大きく異なる天候の例②

2011年12月中旬から2012年1月上旬の低温と日照不足

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 2011年12月中旬から2012年1月上旬にかけては、日本付近は寒気の影響を受けて、全国的に低温で、日本海側で多雨・寡照、太平洋側で少雨・多照となりました(図1)。
 沖縄地方では、寒気の影響が強く、曇りや雨の日が続き、2011年12月から2012年2月までの3か月間の日照時間は、各地で平年の30~50%程度となりました 。このため、冬野菜などの栽培に影響がありました。
 沖縄地方の冬季の気温と日照時間は、冬型の気圧配置の強まりと関係がありますが 、12月上旬から中旬にかけては、シベリアで偏西風の蛇行とブロッキング現象の発生とともに、シベリア高気圧が発達し、沖縄付近に寒気が流入しました。

2011年12月中旬から2012年1月上旬の天候

図1 2011年12月中旬から2012年1月上旬にかけての天候(全国)

那覇の気温と日照時間の経過

図2 2011年12月から2012年1月にかけての那覇の気温と日照時間の経過
灰色で塗りつぶした部分は旬間日照時間の平年との差を示しています。

 沖縄地方は寒暖の差が大きいながらも、気温は平年を下回る日が多くなりました。
 また、不照日数(日別の日照時間が0.1時間未満の日数)は平年を上回り、日照不足が続きました。
 この顕著な現象をもたらした寒気は、個々のシベリア高気圧の発達によってもたらされ、1週間程度の期間で発達と衰退を繰り返しました。

表1 2011年12月中旬から2012年1月上旬にかけての沖縄県の各地点の平均気温・降水量・日照時間

2011年12月中旬から2012年1月上旬の沖縄県の各地点の気温

2011年12月中旬から2012年1月上旬の沖縄県の各地点の降水量

2011年12月中旬から2012年1月上旬の沖縄県の各地点の日照時間

平年値は1991年~2020年の30年平均値です。沖縄県内の気象台と特別地域気象観測所の値を示しています。
沖縄県内では、低温・少雨・寡照となった所が多くなりました。(観測値が平年を下回っている地点は、平年差・比の欄に色をつけています。)