南海トラフ地震特設ページ

地震と南海トラフの基礎知識

Q1 地震や津波はなぜ起こるのでしょうか?

地震は地下で起きる岩盤の「ずれ」により発生する現象です。ずれで発生した振動が伝わってきて地面が揺れると、私たち人間もその揺れを体に感じます。

また、海底下で大きな地震が発生すると、断層運動により海底が隆起もしくは沈降します。これに伴って海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播するものが津波です。

詳しくは気象庁HPでもご紹介しています。以下をご覧ください。

Q2 南海トラフとは何ですか?

南海トラフとは、駿河湾から日向灘沖にかけての海底の溝状の地形を指します。ここでは過去にたびたび大きな地震が発生しています。

トラフとは、海溝よりは浅くて幅の広い、海底の溝状の地形のことを言います。南海トラフは、ここでフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいるために形成されました。

日本付近のプレートの模式図(JMAWEBより)

Q3 南海トラフ地震とは何ですか?

南海トラフ沿いで発生する、陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり跳ね上がることで発生する地震のことを、「南海トラフ地震」と呼んでいます。過去に繰り返し発生しています。

南海トラフ沿いのプレート境界では、①海側のプレート(フィリピン海プレート)が陸側のプレート(ユーラシアプレート)の下に1年あたり数cmの速度で沈み込んでいます。②その際、プレートの境界が強く固着して、陸側のプレートが地下に引きずり込まれ、ひずみが蓄積されます。③陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり、限界に達して跳ね上がることで発生する地震が「南海トラフ地震」です。①→②→③の状態が繰り返されるため、南海トラフ地震は繰り返し発生します。

南海トラフ地震発生のメカニズムの模式図

Q4 南海トラフでは過去にどのような地震が発生していますか?

概ね100~150年間隔で、津波を伴う大規模地震が発生しています。

しばしば下記のような特徴を持っています。

  • 駿河湾から日向灘沖にかけて発生
  • 複数の領域で同時発生
  • 時間差をもって発生
  • 津波地震(揺れは小さいが、発生する津波の規模が大きい地震)が発生

前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)及び昭和南海地震(1946年))が発生してから70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきています。

南海トラフ地震発生履歴

Q5 南海トラフ巨大地震とはどんな地震ですか?

科学的に想定されている最大クラスの南海トラフ地震を「南海トラフ巨大地震」と呼んでいます。

この地震では、下図の黄色い領域が震源域となり、太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波が来襲、最大震度は7とされています。地震の規模(マグニチュード)は9程度となります。

なお、気象庁は、この震源域内で地震の規模(マグニチュード)が8を超える地震が発生した場合、最大クラスの想定に基づき、大津波警報、津波警報または津波注意報を発表します。

最大クラスの南海トラフ地震の想定は、政府の中央防災会議によってなされています。広い範囲で強い揺れが2~3分続き、また、津波が太平洋や瀬戸内海などで発生するとされています。 この想定は南海トラフ地震の一つのケースとして整理されたものであり、実際にこの想定どおりの揺れや津波が発生するというものではありませんが、このような揺れや津波が起こっても耐えうるよう、日頃の備えが重要です。 震源域とは、地震により地下の岩盤にズレ(破壊)が生じる領域です。震源域が海の場合、震源域全体から津波が発生し、周囲に広がっていきます。

地震の規模(マグニチュード)が8を超えるような南海トラフ地震に対する大津波警報、津波警報または津波注意報について、詳しくは気象庁が発表する情報についてQ1をご覧ください。

想定最大震源域

Q6 南海トラフ巨大地震では、なぜ津波がただちに太平洋沿岸のみならず大阪湾や瀬戸内海へも到達するのですか?

海底下で大きな地震が発生すると、震源域の岩盤が隆起もしくは沈降します。これに伴って海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播するものが津波です。

Q5で示した震源域は紀伊水道や瀬戸内海などにも及んでおり、これら海域でも海面が変動するため、津波がただちに大阪湾や瀬戸内海へも到達します。

例えば、下の動画は、平成15年(2003年)十勝沖地震による津波のアニメーションです。地震発生と同時に、震源域全体で津波が発生しています。この地震の規模(マグニチュード)は8.0で、最大の津波の高さは255cmでした。

Q5の場合は、関東から九州にかけての震源域全体で、地震発生と同時に一気に海面が変動し、津波となります。

このページのトップへ