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《顕著な天候事例》 大気と海洋がもたらした高温(2012年9月、10月)

 
 2012年9月から10月にかけては、北日本で記録的な高温となりましたが、北日本周辺の海面水温もまた顕著に高くなりました。
 これらの状況はどのようにして発生したのでしょう。また、大気と海洋にどのような関係がみられたのかまとめてみました。
 

2012(平成24)年9月と10月の大気の状況

 北海道における9月の平均気温は平年差+3.8度と、かなり高くなりました。この値は、従来の記録(1961年の+1.9度)を大きく上回り、1946年の統計開始以降最も高い値となりました。
 10月の平均気温も平年差+1.2度で、かなり高くなりました。

図1 2012(平成24)年9月と10月の全国の気温の状況




図2 2012(平成24)年9月から10月の北海道における気温経過グラフ
桃色の塗りつぶしは、気温偏差の7日移動平均が平年を上回っていることを示します。
 
 

2012(平成24)年9月と10月の海洋の状況

 9月の北日本周辺の海面水温は、緑線内の海域では平年差+2.3度と、1985年の統計開始以降最も高くなりました。
 10月は、海面水温が幾分低下したものの、平年より+1.5度と引き続き高い状態となっていました。


図3 北日本周辺の海面水温平年偏差
 9月は平年より顕著に高温となっています。10月は平年より高温ですが高温の度合いは小さくなっています。

 
 

大気と海洋が顕著な高温となった理由

 9月は、上空を流れる偏西風がオホーツク海付近で大きく北に蛇行し、平年よりもかなり北を流れていました。 このため、北海道など北日本では高気圧や、南からの非常に暖かい空気に覆われやすい状況となり、地上付近から上空にいたるまで、大気全体が顕著に高くなりました。
 北日本で高気圧に覆われやすかったことは、日射しが強く、風の弱い状況(※)をもたらしました。これらのことから、北日本周辺の海面水温も記録的に高くなりました。 また、顕著に高くなった大気に暖められたことも一因になったと考えられます。
 10月は、偏西風が平年と同じような位置を流れており、上空の様子に平年と大きく異なる所はありませんでした。上空の気温も、平年からの差があまり見られませんでした。 にもかかわらず、北海道など北日本の10月の気温もかなり高くなった理由として、9月に暖まった冷えにくい海洋が、地上付近の大気を暖めていたことが考えられます。

※ 風が弱いと、暖まった海水と少し深い所の冷たい海水が混ざりにくいことや、海からの蒸発量も少なくなることから、海面水温はあまり下がりません(風が強いのは、熱いお茶を冷ますのに強く息を吹きかけるのと同じ原理ですね)。


図4 9月が記録的な高温となった理由の概念図

 
 

まとめ

 9月は、偏西風が平年よりかなり北を流れ、北海道を含む北日本は優勢な高気圧に覆われました。 このため、大気全体が高温となり、9月の平均気温は1946年の統計開始以降最も高くなりました。 また、海洋も日射しが強かったことや、大気から暖められたことで、顕著に高い海面水温となりました。
 10月になると、北日本の上空の大気は、平年と変わらない状態となりましたが、北海道など北日本では9月に続いて顕著な高温となりました。 9月に暖まった冷えにくい海洋が、10月は地表に近い大気下層を暖めていたためと考えられます。

 

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