仙台管区気象台長からのメッセージ

“加藤 孝志”仙台管区気象台長就任のご挨拶です

 仙台管区気象台長の加藤孝志です。当気象台のウェブサイトをご利用いただきありがとうございます。

 仙台管区気象台は、東北6県の気象、海洋、地震や火山などの観測・監視を行い、これら観測結果をもとに気象警報・注意報、気象情報や天気予報を発表し、自治体など関係機関と連携して防災・減災に取り組んでいます。当管区内には青森、盛岡、秋田、山形、福島の5つの地方気象台があり、これらの官署と力を合わせて、現業部門は24時間365日休みなく業務を行っています。

 東北地方は豊かな自然に恵まれ、我々はその海や山からの恵みを存分に享受しながら日々の生活を営んでいます。しかし時に自然は牙をむき、多くの人の命を奪うことすらあります。平成23年の東日本大震災による甚大な津波被害は、13年経った今も忘れてはならない大きな教訓を私たちに残しました。また、東北地方にはいくつもの活火山があり、仙台管区気象台ではそのうちの12を常時監視して、いつ起きるかもしれない火山活動の高まりに備えています。その他にも令和元年東日本台風による多大な風水害に見られるように、近年東北地方でも大雨や台風による災害が発生しており、個々の極端現象の底流には地球温暖化の影響があります。令和5年7月には、グテーレス国連事務総長が「地球沸騰の時代が到来した」と発言され、気候変動に対する強い危機感が叫ばれているところです。

 気象台では、利用できる最新の科学技術を駆使し、これら自然現象を日夜監視し、より正確でタイムリーな情報をお伝えすることに職員一丸となって努力しています。人間の力で大雨、台風、地震・津波、火山噴火などの自然災害の発生を止めることはできませんが、みなさんに的確な防災行動を取っていただけるように情報を発信し、わかりやすく解説することで、被害を最小限にくい止めたいと願って今日も職務に励んでいます。

 どうぞ、いざというときにはみなさんお一人お一人が迷いなく最大限に命を守る行動をとれるように、心の準備・日頃の備えをしていただき、気象台の最新の情報や地元自治体からの避難情報等に耳を傾けてくださるようにお願いいたします。


令和6年4月15日
仙台管区気象台長 加藤 孝志(かとう たかし)