静岡県の気候変化

1. はじめに

人間活動に伴う近年の大気中の温室効果ガス濃度の増加が、地球のエネルギー収支の不均衡をもたらし、その結果として、地球が温暖化していると考えられています。
ここでは、静岡県の気候の変化を中心に記述しています。

2. 静岡県内のこれまでの気候変化

【気温】

(1)年平均気温

静岡県内の気温は、数年~数十年の様々な周期の変動を繰り返しながら長期的に上昇しています。
静岡では、1940年以降100年あたりで、平均気温は2.2℃上昇しています(2016年まで)。
浜松では、1883年以降100年あたりで、平均気温は1.3℃上昇しています(移転前の2011年まで)。
三島では、1931年以降100年あたりで、平均気温は2.4℃上昇しています(2016年まで)。

浜松における年平均気温の経年変化 静岡における年平均気温の経年変化 三島における年平均気温の経年変化

いずれの地点も、日本の平均気温の上昇より大きくなっています。
各地の気温の上昇には、地球温暖化による長期的な上昇傾向に、ヒートアイランド現象の影響や数年~数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動が重なっていると考えられます。

(2)気温日数

静岡県内において、最高気温が30℃以上である真夏日や最高気温が35℃以上である猛暑日の日数は増加しています。

浜松における真夏日日数の経年変化 静岡における真夏日日数の経年変化 三島における真夏日日数の経年変化

浜松における猛暑日日数の経年変化 静岡における猛暑日日数の経年変化 三島における猛暑日日数の経年変化

最低気温が25℃以上である熱帯夜※の日数は増加、最低気温が0℃未満である冬日の日数は減少しています。
※熱帯夜は、夜間の最低気温が25℃以上の場合を指しますが、ここでは日最低気温が25℃以上の日として扱っています。

浜松における熱帯夜日数の経年変化 静岡における熱帯夜日数の経年変化 三島における熱帯夜日数の経年変化

浜松における冬日日数の経年変化 静岡における冬日日数の経年変化 三島における冬日日数の経年変化

【降水量】

(1)年降水量

静岡の年降水量は、年ごとの変動幅が大きく、はっきりした傾向はありません。
他の浜松、三島についても同様となっています。

浜松における年降水量の経年変化 静岡における年降水量の経年変化 三島における年降水量の経年変化

(2)短時間強雨発生回数

全国のアメダス1時間降水量50ミリ以上、80ミリ以上の年間観測回数は、増加しています。

【生物】

ソメイヨシノ開花の平年値との差

気象庁では、植物の開花、満開、紅(黄)葉や動物の初見、初鳴などを観測しています。観測された結果は、季節の遅れ進みや、気候の違いなど総合的な気象状況の推移を知るのに用いられています。
静岡のさくらの開花は1953年以降50年間あたりで約6日早まっています。
さくらの開花日が早まる傾向は、これらの現象が発現する前の平均気温との相関が高いことから、これら経年変化の特徴の要因の一つとして長期的な気温上昇の影響が考えられます。
静岡のさくらの開花日とは、静岡地方気象台の標本木で5~6輪以上の花が開いた状態となった最初の日をいい、観測の対象は「そめいよしの」です。

3. 気候の将来予測

【気温】

地球温暖化予測情報第8巻」の計算結果を用いて、静岡県の領域平均した予測結果をみると、「21世紀末(2076~2095年:将来気候)」の静岡県の年平均気温は、「20世紀末(1980~1999年:現在気候)」に比べて概ね3℃の上昇が予測され、季節別には冬に上昇幅が大きいと予想されています。
また、最低気温が0℃未満である冬日の日数は年間で20日程度減少、最高気温が30℃以上である真夏日の日数は40日程度増加すると予想されています。

静岡県における年平均気温の変化の予測 静岡県における冬日の変化の予測 静岡県における真夏日の変化の予測

赤色の棒グラフは将来気候の現在気候との差を表す。黒細線は年々変動の標準偏差(左:現在気候、右:将来気候)を示す。
灰色の棒グラフは現在気候の観測値の領域平均を表す。灰色の棒グラフでの黒細線は現在気候のアメダス地点間の標準偏差を示す。

【降水量】

21世紀末の静岡県の降水量は、20世紀末に比べて増加すると予想されています。また、1時間降水量50ミリ以上の激しい雨も増加、日降水量100ミリ以上の大雨も増加すると予想されています。

静岡県における降水量の変化の予測 静岡県における1時間降水量50ミリ以上の激しい雨の変化の予測 静岡県における日降水量100ミリ以上の大雨の変化の予測
なお、これらの予測に用いた温室効果ガス濃度の想定は、IPCC第4次評価報告書のSRES A1Bシナリオ(第5次評価報告書のRCP6.0に相当)を用いており、温室効果ガスの排出量により将来の予測結果は変わります。

4. 気象庁の取り組み

気象庁では、地球温暖化を始めとする地球環境問題に対して積極的に取り組んでいます。
 「気候変動監視レポート」では、世界や日本の気候変動や温室効果ガス、オゾン層の状況について年に1回刊行しています。
地球温暖化予測情報」では、温室効果ガスの増加に伴う日本付近の詳細な気候変化の予測を行っています。
異常気象レポート」を5年に1回刊行し、地球環境の現状や変化の見通しを公表しています。
東京管区気象台では、「気候変化レポート2015-関東甲信・北陸・東海地方-」を発刊し、観測地点ごとの経年変化や都県別の将来予測などをとりまとめて公表しています。
このように気候変動の実態を把握し、将来の予測を立ててその影響を評価し公表することで、地球温暖化に関する理解や、対策検討資料としての活用の促進を図っています。
地域の気候変動適応計画の策定等に向けた基礎資料としてご活用ください。

5. 地球温暖化に関連したウェブサイト

6.参考画像

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