天気予報業務


 和歌山地方気象台は、明治12年に県営の和歌山測候所として創立し、以来120余年間、同一場所で気象観測を継続してきました。この間、防災気象情報の提供を通して和歌山県の自然災害の防止・軽減に努めると共に、天気予報など必要な情報を提供してきました。

  和歌山地方気象台は和歌山県の天気予報を担当しています。県を北部・南部に分けて(一次細分)気象庁から配信される数値予報資料や、気象レーダー・アメダスなどの実況により、天気予報・週間天気予報・時系列予報を発表しています。
  さらに、災害の発生する恐れがある場合には注意報・警報及び情報を発表しますが、大雨や洪水、高潮については市町村毎に発表しています。その他の現象については市町村をまとめた地域(北部「紀北、紀中」、南部「田辺・西牟婁、新宮・東牟婁」)に分けて発表しています。
 また、一般に発表する洪水注意報・警報のほかに、国(国土交通省)や県と共同して予め指定した河川について洪水予報(注意報、警報、情報)を発表しています。
(国土交通省近畿地方整備局と共同で紀の川と熊野川に、和歌山県と共同で有田川・日高川・古座川に発表しています)

 

 

 


1.天気予報の発表区域

 天気予報は、明後日までの天気や風の推移、波浪のほか、最高・最低気温、降水確率を予報するものです。和歌山県の気候区分は、県北部は瀬戸内気候区、県南部は南海気候区に属し、共に比較的温和ですが、南部は日本有数の多雨地帯であり、しばしば天気の様子が大きく異なるため、天気予報は「北部」と「南部」の二つの区域に分けて発表しています。

予報区域図

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2.天気予報の発表時刻と予報期間

 天気予報は毎日、5時、11時、17時の3回発表しています。また、それぞれの予報する期間は、次の図のとおりです。

 * 状況の変化などにより臨時に発表する場合もあります。

天気予報の発表時刻と予報期間の図

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3.時間経過などを表す用語

一時

 現象が連続して起こり、その発現期間が予報期間の1/4未満のとき。
 例えば、「くもり一時雨」などと用います。この場合、雨が連続して降り、その期間が予報期間の1/4未満と予想されるときに用います。

時々

 現象が断続的に起こり、その現象の発現期間の合計時間が予報期間の1/2 未満のとき。
 例えば、「くもり時々雨」などと用います。この場合、雨が断続的に降り、その期間が合計して予報期間の1/4以上で1/2未満と予想されるときに用 います。

のち

 予報期間内の前と後で現象が異なるとき、その変化を示すときに用います。
 例えば、「くもりのち雨」などと用います。この場合、予報期間の後半(予報期間の半分)に雨が降ると予想されるときに用います。

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4.一日の時間細分を表す用語

 

 

1113昼頃

 

午前中

午後

03

36

69

912

1215

1518

1821

2124

未明

明け方

昼前

昼過ぎ

夕方

夜のはじめ頃

夜遅く

日中

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5.地域などを表す用語

所により

 現象が地域的に散発し、その地域が特定できない場合に用います。
また、その発現域の合計面積は、対象予報区域全体の1/2未満です。

山沿い

 山に沿った地域。平野から山に移る地帯をいいます。
 

山間部

 山と山の間の地域をいいます。
 

沿岸部

 海岸線の両側の、ある広さをもった地域と水域をいいます。
 

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6.風の強さを表す用語

用語

平均風速
(m/s)

風の吹き方

人への影響

屋外・樹木の様子

車に乗っていて

建造物の被害

やや強い風

10以上
15未満

 風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。

 樹木全体が揺れる。電線が鳴る。

 道路の吹き流しの角度、水平(10m/s)、高速道路で乗用車が横風に流される感覚を受ける。

 取り付けの不完全な看板やトタン板が飛び始める。

強い風

15以上
20未満

 風に向かって歩けない。転倒する人もでる。

 小枝が折れる。

 高速道路では横風に流される感覚が大きくなり、通常の速度で運転するのが困難となる。

 ビニールハウスが壊れ始める。

非常に強い風
(暴風)

20以上
25未満

 しっかりと身体を確保しないと転倒する。

 車の運転を続けるのは危険な状態となる。

 鋼製シャッターが壊れ始める。風で飛ばされた物で窓ガラスが割れる。

25以上
30
未満

 立っていられない。屋外での行動は危険。

 樹木が根こそぎ倒れ始める。

 ブロック塀が壊れ、取り付けの不完全な屋外外装材がはがれ、飛び始める。

猛烈な風

30以上

 屋根が飛ばされたり、木造住宅の全壊が始まる。

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7.雨の強さを表す用語

用語

雨の降り方

1時間雨量
(mm)

感じる
イメージ

人への影響

屋内の様子
(木造住宅)

屋外の様子

車に乗っていて

災害状況

やや強い雨

10以上
20
未満

 ザーザーと降る。  

 地面からの跳ね返りで足元がぬれる。

 雨音で話し声が聞き取れない。

 地面に水たまりができる。

 

 この程度の雨でも長く続くときは注意が必要。




 

強い雨

20以上
30未満

 どしゃ降り。  

 傘を差していてもぬれる。

 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく。
 

 ワイパーを早くしても見づらい。

 側溝や下水、小さな川があふれ、小規模の崖崩れが始まる。



 

激しい雨

30以上
50未満

 バケツをひっくり返したように降る。  

 道路が川のようになる。

 高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが利かなくなる。

 山崩れ・崖崩れが起こりやすくなり危険地帯では避難の準備か必要
 都市では、下水管から雨水があふれる。
 

非常に
激しい雨

50以上
80未満

 滝のように降る
(ゴーゴーと降り続く)。  

 傘は全く役に立たない。

 水しぶきで一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。

 車の運転は危険な状態。

 都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合がある。
 土石流が起こりやすい。
 多くの災害が発生する。

猛烈な雨

80以上

 息苦しくなるような圧迫感がある。
恐怖を感じる。

 雨による大規模な災害の発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要。


 

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8.降水確率

 予報対象区域内において、一定の時間内に降水量にして1o以上の雨または雪の降る確率(%)をいいます。
 降水確率は、0、1020、・・・・、100%で表現し、この間は四捨五入しています。
 降水確率30%とは、30%という予報が100回発表されたとき、その内のおよそ30回は1o以上の降水があるという意味であり、降水量や降水面積を予報するものではありません。

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9.数値予報

 数値予報は、物理学の方程式により、風や気温などの時間変化をスーパーコンピューターで計算して将来の大気の状態を予想する方法です。気象庁では、昭和34年にわが国の官公庁として初めて科学計算用の大型コンピューターを導入し、数値予報業務を開始しました。その後、数値予報モデルの進歩とコンピューターの技術革新によって、今日では、数値予報は予報業務の根幹となっています。
 数値予報を行う手順としては、まずコンピューターで取り扱いやすいように、規則正しく並んだ格子で大気を細かく覆い、そのひとつひとつの格子点の気圧、気温、風などの値を世界中から送られてくるデータを使って求めます。これをもとに未来の大気状況の推移をスーパーコンピューターで計算します。この計算に用いるプログラムを「数値予報モデル」と呼んでいます。
 こうした数値予報モデルの結果は、数値予報天気図や格子点値として出力され、民間の気象会社や報道機関に提供されているほか、外国の気象機関でも利用されています。
 また、数値予報モデルの結果は衛星からのデータをはじめ、観測データの品質管理にも利用されています。
 


数値予報モデル(大気の熱収支)の概念

数値予報モデルの概念図

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10.洪水予報

 気象庁は防災機関が洪水による災害を防止、軽減するために行う水防活動を支援する責務を負っています。
 このため、気象の予報に基づき水防活動の支援と共に一般の利用を目的として、独自に洪水注意報、警報を発表するほか、国(国土交通省)や県と共同して予め指定した河川について洪水予報(注意報、警報、情報)を発表しています。
 
 
【気象庁単独洪水予報と指定河川洪水予報との違い】
 (気象庁単独洪水予報)
 予報区域内を対象に、不特定の河川の増水における(重大な)災害が発生するおそれがあると予想したときに発表して、注意(警告)を呼びかけます。河川を特定しないため、水位や流量の予測は行っていません。

 (指定河川洪水予報)

 河川の増水やはん濫などに対する水防活動のため、あらかじめ指定した河川について、区間を決めて水位または流量を示して予報を行います。

 

【指定河川洪水予報の標題】

指定河川洪水予報の標題には、はん濫注意情報、はん濫警戒情報、はん濫危険情報、はん濫発生情報の4つがあり、河川名に付して「○○川はん濫注意情報」「△△川はん濫警戒情報」のように発表します。

はん濫注意情報が洪水注意報に相当し、はん濫警戒情報、はん濫危険情報、はん濫発生情報が洪水警報に相当します。洪水予報は関係行政機関、都道府県や市町村へ伝達され水防活動に利用されるほか、市町村や報道機関を通じて地域住民の方々へ伝えられます。指定河川洪水予報は、気象庁ホームページや各関係機関・自治体のホームページからも閲覧することができます。

 

【指定河川洪水予報の種類】

洪水予報の対象となる河川は、大きく2種類に分けられます。 

(国土交通省と共同で行う洪水予報)

2つ以上の都府県にわたる河川または流域面積の大きい河川で、洪水によって重大な損害が生ずるおそれのあるものについて、国土交通大臣が指定します。和歌山県においては、紀の川と熊野川で実施しています。

(都道府県と共同で行う洪水予報)

上記以外の河川で、洪水によって相当の被害が発生するおそれのあるものについて、気象庁と協議して都道府県知事が指定します。都道府県と共同で行う洪水予報は、平成13年7月の水防法および気象業務法の改正を受け、平成14年5月から始まりました。和歌山県においては、有田川・日高川・古座川で実施しています。

 

【流域雨量指数】

流域雨量指数とは、河川の流域に降った雨水が、どれだけ下流の地域に影響を与えるかを、これまでに降った雨(解析雨量)と今後数時間に降ると予想される雨(降水短時間予報)から、流出過程と流下過程の計算によって指数化したものです。大雨によって発生する洪水災害(河川の増水、はん濫など)は、流下してくる雨水の量が多いほど発生の可能性が高く、かつ、上流の降雨が下流に集まるまでの時間差も考慮しなければなりません。

流域雨量指数は、これらを踏まえた新たな指標として、洪水警報・注意報の発表基準に使用しています。

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11.解析雨量

 気象庁は、解析雨量を気象情報などに利用しています。気象レーダーはある程度の精度で地上の雨量分布を観測することができますが、その観測値には誤差を伴います。解析雨量とは、この誤差をアメダスの実測雨量や都道府県の雨量計を用いて解析・補正して、精度の良い詳しい雨量分布を把握できるようにしたものです。これにより、雨量計で得られないようなごく局地的な強雨域を把握することができます。
 解析雨量は、アメダスや部外機関の雨量計で実測雨量に準じる値ですが、解析の過程で場所や雨量に若干の誤差を伴います。このため解析雨量による降雨実況を気象情報で発表する場合には、「○○市付近」、雨量は「約何十ミリ」のような表現を使います。

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12.土砂災害警戒情報

 大雨による土砂災害発生の危険度が高まったとき、市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報です。

 

(土砂災害警戒情報の利用上の注意点)
 土砂災害警戒情報は、降雨から予測可能な土砂災害のうち、避難勧告等の災害応急対応が必要な土石流や集中的に発生する急傾斜地崩壊を対象としています。

しかし、土砂災害は、それぞれの斜面における植生・地質・風化の程度、地下水の状況等に大きく影響されるため、個別の発生箇所・時間・規模等を詳細に特定することはできません。

また、技術的に予測が困難である斜面の深層崩壊、山体崩壊、地すべり等は、土砂災害警戒情報の発表対象とはしていません。

(早期避難が重要です)

土砂災害警戒情報が発表されていなくても、斜面の状況には常に注意を払い、普段とは異なる状況(一般に「土砂災害の前兆現象」と言います)に気がついた場合には、直ちに周りの人と安全な場所に避難するとともに、市町村役場等に連絡してください。日頃から危険箇所や避難場所、避難経路を確認しておくことも重要です。

 

【土壌雨量指数】

土壌雨量指数とは、降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ貯まっているかを、これまでに降った雨(解析雨量)と今後数時間に降ると予想される雨(降水短時間予報)等の雨量データから「タンクモデル」という手法を用いて指数化したものです。

(土壌雨量指数と防災情報)

地表面を5km四方の格子(メッシュ)に分けて、それぞれの格子で計算します。

大雨によって発生する土砂災害(土石流・がけ崩れなど)は土壌中の水分量が多いほど発生の可能性が高く、また、何日も前に降った雨が影響している場合もあります。

土壌雨量指数は、これらを踏まえた土砂災害の危険性を示す新たな指標として、各地気象台が発生する土砂災害警戒情報および大雨警報・注意報の発表基準に使用しています。

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