地域の気候特性

宗谷地方の気候特性を紹介します。



気候特性

 宗谷地方は北海道の太平洋側等他の地域に比べると夏期間の降水量は約200~300mmと一般的に少ないですが、 地形の影響等により短時間に雨量が多くなる地域もあります。

 また、サロベツ原野等の河川は流域に大きな山がないために、大雨があると川の水位が上昇するまでに 他の河川よりも時間を要することがあります。


1 宗谷北部

 宗谷北部は三方が海に面しており、海からの影響を受けやすく、その影響の度合いは、季節により違います。

 オホーツク海高気圧が張り出す時期(春から盛夏への移行期)には曇天・寒冷な日が卓越するようになります。 また、太平洋高気圧が張り出し南西風が卓越する夏には日本海側沿岸は海霧の流入により曇天の日が多くなり、 風下のオホーツク海側では晴天になります。

 夏期の気温は一般的には海洋の影響を受けて、内陸部の一部地域を除き最低気温はあまり下がらず、 日中の気温も海風の影響であまり高くならないために寒暖の差は小さく、真夏日になることはまれです。

 冬期は西高東低の気圧配置により西から北西の季節風が卓越し、沿岸部や岬では風雪の日が多くなります。 積雪の深さは沿岸部では風の影響で一般には少ないですが、内陸に入ると地形の影響を受けて多くなります。

 なお、流氷がオホーツク海沿岸に接岸すると海上が一面の流氷野となり、東風が卓越すると広範囲で気温が下がるようになります。


2 宗谷南部

 頓別川や北見幌別川の流域沿いに平坦部がありますが、ほとんどが山岳地帯で東側はオホーツク海に面しています。 風向により内陸の影響を受ける場合と海洋の影響を受ける場合があり、気象条件には差がでます。

 春先等の南西風では気温が急上昇し季節はずれの高温になることがしばしばあり、寒暖の差が激しくなります。 オホーツク海高気圧が張り出す時期には沿岸部では海霧に覆われ湿潤・低温になり、山間部の地域でも全般に低温で曇天の日が多くなります。

 夏期は北部に比べ寒暖の差が大きく、夏日や真夏日も多く内陸性気候の特徴を示します。

 冬期は風向きにより沿岸部では風雪の日が多くなり、積雪量は山岳地帯の地形の影響で地域により、 多い・少ないの差が大きくなります。また、オホーツク海から南下した流氷が沿岸を覆い尽くし流氷野となる時期があり、 気温が急激に下がり沿岸部でも内陸性気候に似た 最低気温の低下が見られます。


3 利尻・礼文

 四方が海に囲まれ、付近を対馬暖流が北上する海洋性気候であり、宗谷北部や宗谷南部に比べると寒暖の差は小さく 冬期の最低気温もあまり低くなることはありません。

 オホーツク海高気圧が張り出す時期には、北部や南部と同じく低温で曇天の日が多くなり、 夏型の気圧配置になると 海上に発生する海霧に覆われることがあります。

 利尻島には利尻山がそびえ、礼文島は南北に長く海崖が発達していることから地形の影響を受けやすく、 両島の西側と東側では風向きにより雪や雨の一度に降る量に大きな差が生じやすくなります。 また、本土と両島との間にある利尻水道では、夏期の高気圧が張り出し気象が安定する時期を除いて、 強風により波浪が高くなることが多くなります。