鳥海山による主な災害

鳥海山の概要

鳥海山の写真

 秋田県と山形県の境に位置する成層火山。基底の直径は、東西26km、南北14km。地形的には、なだらかで侵食が進んだ西鳥海山とやや急峻で新しい溶岩地形をもつ東鳥海山に二分され、 それぞれの山頂部に山体崩壊によって生じた馬蹄形カルデラがある。
 活動史は大きく3期に区分される。第1期はこの火山の主体を形成した時期、第2期は溶岩が西鳥海山の表面を覆った時期、第3期は山体東部に円錐形の東鳥海山が形成された時期 (西山腹猿穴火口からの溶岩流を含む)。
 約2,600年前、東鳥海山の山頂部が崩壊して岩屑なだれが北から北西に流下し、北に開く馬蹄形カルデラが生じた。象潟(きさかた)、由利原の現在の地形はこの堆積物によって形成されている。 同カルデラ形成後、カルデラ内山頂部付近の活動が続き、溶岩流がカルデラの約1/3を埋積した。
 東鳥海山の2つの中央火口丘のうち、新山(別名、享和岳)は、1801年の噴火で生じた溶岩ドーム。有史後の活動は、1801年の噴火以外は火山灰の放出であった。泥流を生じやすい。
 別名、出羽富士、秋田富士、羽山。

噴火の記録

月日 災害内容 詳細(※)
578年 不明 噴火?新火口丘生成?  
708年

714年
不明 噴火?  
804年

806年
不明 噴火?  
(弘仁年間) 不明 噴火?(弘仁年間とは810〜823年)  
(天長年間) 不明 噴火?(天長年間とは824〜832年)  
839年 不明 噴火?  
850年 不明 噴火?  
871年 5月5日 噴火。泥流が流下し、川の水が青黒く変色してはん濫、堤防が崩壊。魚類が多数死んだ。  
939年 不明 噴火。  
1659年 4月〜 噴火。4〜5年続く。稲作に被害。  
1740年〜 不明 噴火。荒神ヶ岳の南東側山腹火口から噴煙多量。硫黄化合物が北側の川に流入し、水田や川魚に被害。噴火数年間続く。  
1801年

1804年
  噴火。新火口丘生成。
登山者8名噴石で死亡。
1821年 5月23日 噴火。新山、七高山付近。  
1834年 7月9日 噴火?川魚等死ぬ。  
1974年 3月1日〜 噴火。新山の東側火口で噴火し、6日に泥流。噴煙、降灰(水蒸気爆発)。

(※)・・・詳細欄の「○」から、その災害の詳細な情報を見ることが出来ます。

  「概要」および「噴火の記録」については日本活火山総覧(第3版)による。