千葉県の気象特性
目次
千葉県の地勢
千葉県は日本列島のほぼ中央に位置し、東西約100km、南北約134kmで一部が太平洋に突き出た半島です。
千葉県の南部房総半島は太平洋に面し、西は一部東京湾を臨み、北西は江戸川を隔てて東京都と埼玉県に接し、北は利根川を境に茨城県に接しており、四方を海と川に囲まれています。
半島の東方沿岸沿いに黒潮が流れているため、気候は温帯地方の温暖な海洋性気候となっています。
地形の特徴は、全体に標高が低く、丘陵の大部分が200m以下であり、最高点の愛宕山でも408mです。平均海抜は49mで、全国的にみても日本一の低平な県といえます。
千葉県の四季の天候特性
冬(12月~2月)
シベリア大陸では高気圧が発達し、日本付近は西高東低の気圧配置(冬型)となり、大陸から冷たい北西の季節風が吹いてきます。 |
![]() 冬 平成20年1月25日の地上天気図 |
春(3月~5月)
春は冬から夏への移行期で、風が強く天気変化の激しい季節です。 |
![]() 春 平成18年4月9日 |
梅雨(通常、6月上旬後半~7月中旬後半)
初夏を過ぎると、太平洋高気圧が南海上まで張り出し、オホーツク海高気圧も明瞭になってきます。
このため、本州南岸付近に前線が停滞し、曇りや雨の日が続きます。湿度が高くうっとうしい時期ですが、アジサイなどの花々の色が冴える時期でもあります。 |
![]() 梅雨 平成19年7月14日 |
盛夏(7月下旬~8月)
梅雨明け後しばらくは太平洋高気圧が日本を広くおおい、日中は南よりの風が吹き、蒸し暑い晴天の日が続き、天気が安定します。 |
![]() 盛夏 平成19年8月15日 |
秋・台風(9月~11月)
初めは残暑も残りますが、太平洋高気圧の後退とともに北の高気圧の影響を受け、秋雨前線が南岸付近に停滞します。
同時に台風が関東地方に接近しやすくなります。本県では9月中旬~10月中旬にかけて最も雨量が多くなります。 |
![]() 秋・台風 平成16年10月9日 |
気象要素から見た気象特性
気温
暑さの指標として、年間の最高気温が30℃を超える日数の平年値を見ると、海の影響を受けやすい銚子や勝浦で11日~13日に対し、
その他の地域では30日を超える所が多くなっています。特に牛久や木更津で多く、それぞれ50日を超えています。
また、寒さの指標として、最低気温0℃未満の日数の平年値を見ると、海に面していない内陸部で60日を超えているのに対して、
千葉、銚子、勝浦などの沿岸部では10日前後と少なくなっています。


〔統計期間〕 | 香取・船橋:2000~2010年、成田:2003~2010年、我孫子※:1981~2009年、 |
木更津※:1981~2005年、その他の地点:1981~2010年 | |
※印を付加した観測所は移設により統計期間が短いため、旧観測所の値の平均値を使用しています。 |
降水量
南部では他の地域に比べて降水量が多く、特に大多喜(南部丘陵地域)付近を中心とした比較的狭い範囲で強い雨が多く降ります。
年間における日雨量が50mm以上の日数の平年値は、南部で7日を超える地点が多いのに対して、北部では4~6日程度です。
年間降水量の平年値を見ると、北部で1400~1600mm程度であるのに対し、南部では2000mmを超える所があり、最も多いのは大多喜の2236.9mmとなっています。


〔統計期間〕 | 香取・船橋:2000~2010年、成田:2003~2010年、我孫子※:1981~2009年、 |
木更津※:1981~2005年、その他の地点:1981~2010年 | |
※印を付加した観測所は移設により統計期間が短いため、旧観測所の値の平均値を使用しています。 |
風向
冬季はシベリア高気圧が発達し寒冷な北西風が多く、夏季は太平洋高気圧からの高温多湿な南寄りの風が多くなります。
春季・秋季は移動性高気圧や低気圧が周期的に通過するため、卓越風は少なくなり、高気圧や低気圧の経路によって風向は異なってきます。
風速
一般的に海岸線沿い、南や北に開いた海に面した地域などで強い風が吹きます。
千葉県内における年間を通しての平均風速は沿岸部でおよそ3~6m/s、内陸部でおよそ2m/s以下です。ただ、内陸部でも成田では風が吹きやすく年間を通しての平均風速は3.7m/sとなっています。
日最大風速の平年値を見ると、千葉市を中心とした東京湾内湾と、銚子市を中心とした地域は、県下でも強い風が多く、日最大風速10m/s以上の日数の平年値が、銚子では140日以上、千葉では70日以上あります。
また、内陸部でも成田はやはり風が吹きやすく、52日と多くなっています。


〔統計期間〕 | 香取・船橋:2000~2010年、成田:2003~2010年、我孫子※:1981~2009年、 |
木更津※:1981~2005年、その他の地点:1981~2010年 | |
※印を付加した観測所は移設により統計期間が短いため、旧観測所の値の平均値を使用しています。 |