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運航用飛行場予報(TAF)の解説

電文例の内容と型式について項目毎に解説します。

○電文例(電文中の下線をクリックして下さい。その項目の型式について解説をしています。)

TAF RJGG 232310Z 2400/2506 21008KT 4000 -RA BR BKN008 OVC040 BECMG 2418/2420 7000 NSW  BKN040=

なお、上記電文には解説のためにア~コのカナ文字及び下線を施しましたが、正式な電文には施してありませんのでご承知願います。

ア:地点略号

予報の対象となっています飛行場をICAO*1の国際4文字地点略号で表します。
当飛行場は「RJGG」です。

 *1:ICAOは「国際民間航空機関」の略語です。

イ:発表日付時分

発表する日付時刻を協定世界時(UTC)で表します。

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ウ:日付、発効時刻、終了時刻

 予報の期間の始まりと終わりを、日付と協定世界時(UTC)で表します。有効期間は30時間です。

エ:風向風速・最大瞬間風速

(1)風向は真方位により10度刻みの3数字で表します。
(2)風速は2桁で表し、数値に続けて風速の単位を付します。わが国ではkt単位で表します。
(3)平均風速を10kt以上上回る最大瞬間風速(「ガスト」といいます。)が予想される場合は、平均風速の後にGを付して、続けて予想される値を記述します。
  (例)05030G40KT
(4)風速が100kt以上(50m/s以上)の場合は、P99で表します。
  (例)28080GP99KT
(5)静穏(0.4kt以下【0.2m/s以下】)は00000KTで表します。風速が2kt以下(1m/s以下)で風向が定まらないとき(60度以上変動するとき)には、風向はVRBを使い、それに続けて予想風速を記述します。
  (例)VRB02KT  なお、VRBはVariableの略語です。

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オ:視程又はCAVOK

(1)わが国では卓越視程を4桁の数字で表します。5,000m未満は100m単位、5km以上10km未満は1km単位、10km以上のときは9999としています。
(2)CAVOK*2
CAVOKとは次の条件が満たされた場合に使用します。
ア)卓越視程は10km以上。
イ)5,000ftまたは最低扇形別高度*3の最大値のいずれか高い値未満に雲がなく、かつ重要な対流雲がない。
ウ)予報すべき天気がない。
  (例)TAF RJGG 010300Z 011206 32008KT CAVOK=
    1日12UTCから2日06UTCの予報。
    風向風速320度の8ktでCAVOKの条件に該当することが予想されます。

*2:CAVOKはVisibility,cloud and present weather better than prescribed values or conditionsの略語です。
*3:最低扇形別高度とは、航行用無線施設を中心とした半径25NMの円内の部分に含まれる区域に所在する全ての障害物件から、平野部では300m(1,000ft)、山岳部については600m(2,000ft)の垂直間隔をもって設定した緊急時用の最低高度です。各空港でこの値は異なり、
当飛行場では5,200ftとなっています。

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カ:天気

天気現象は天気略語の組み合わせで、降水現象・視程障害現象・そのほかの現象ごとに必要に応じて強度・特性を付加して、最大3群まで、1つの群につき最大9文字で表します。天気現象の組み合わせの表し方は卓越順としています。

よく使われる天気現象は次のとおりです。

             天気略語表
付帯条件 天気現象
強度 特性 降水現象 視程障害現象 終了

(弱)
SH
(しゅう雨性)
RA
(雨)
  BR
  (もや)
NSW
(表示なし)
(並)
TS
(雷電)
SN
(雪)
  FG***
  (霧)
 

(強)
  GR
(ひょう)
  VA
  (火山灰)
 
        HZ**
  (煙霧)
 
*   :視程1km以上5km以下
**  :視程5km以下
***:視程1km未満
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キ:雲又は鉛直視程及びNSC

(1)雲量及び雲底の高さは3層まで使用しています、ただし、重要な対流雲(積乱雲CB)が予想される場合は4層まで使用しています。
(2)雲量は次のとおり使用しています。

雲量電文表示 意味 8分雲量 参考(10分雲量)
FEW 少しの
1~2オクタス
1以下で0(雲がない)ではない~2 1以下で0(雲がない)ではない~3
SCT 散在している
3~4オクタス
3~4 4~5
BKN すき間あり
5~7オクタス
5~7以上ですき間があります 6~9以上ですき間があります
OVC 全天を覆う
8オクタス
8(すき間がありません) 10(すき間がありません)

(3)雲底の高さは100ft単位の3桁の数字で表し、5,000ft未満は100ft刻みで、5,000ft以上は1,000ft刻みで表します。ただし、2004年(平成16年)11月3日03UTCより、予報対象とする雲の変更があり、「5,000ft又は最低扇形別高度の最大値のいずれか高い値以上の雲(積乱雲を除く)は、飛行場予報に記述しない」こととなりましたので、当飛行場では5,200ft以上の雲が予想されましても予報電文には反映されませんのでご承知おき下さい。
(4)重要な対流雲(積乱雲CB)が予想される場合は、雲底の高さに続けて雲形(CB)を記述します。
  (例)雲量4のCBが2,000ftのとき SCT020CB
(5)いくつもの雲層又は雲塊を予想する場合は次の要領で行っています。
ア)雲量に関係なく最も低い雲層又は雲塊をFEW、SCT、BKN、OVCのいずれかで表します。
イ)第1層の高さより上にあって、雲層又は雲塊の量が3オクタス以上の場合SCT、BKN、OVCで表します。
ウ)第2層の高さより上にあって、雲層又は雲塊の量が5オクタス以上の場合BKN、OVCで表します。
エ)雲の群は、雲底の高さの低い雲から順に表します。
オ)上記のいずれの項にも重要な対流雲を記述しない場合は重要な対流雲を雲形を付加して1層だけ表します。この場合、重要な対流雲の雲底の高さを他の雲層又は雲塊の高さと同一に予報する場合は、重要な対流雲を後に記述しています。
  (例)・・・・・BKN008 BKN020 SCT020CB OVC040
(6)鉛直視程
霧(FG)で空を透視できないと予想される時は、天気は「FG」とし、鉛直視程で表します。
  (例) TEMPO 2003 0300 FG VV003
(7)NSC(Nil Significant Cloud)の使用
NSCは次の条件が満たされたときに使用します。
ア)卓越視程は10km未満。
イ)5,000ft又は最低扇形別高度の最大値のいずれか高い値未満に雲がなく、かつ重要な対流雲がないとき。
  (例)RJGG 010300Z 011206 16008KT 6000 NSC

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ク:変化群

変化群は基本群で全予報要素を記述した後に用います。変化群の識別語及び変化開始日時(YYGG)と終了日時(YeYeGeGe)に続いて、その後に変化基準に該当すると予想されるすべての要素を続け、記述されない要素は、基本群の状態が持続すると考えて下さい。

(1)BECMG(becoming)
指示された予報期間の中で天気状態が規則的に或いは不規則に変化することが予想され、その後は変化後の状態が続くと予想される場合に使用します。

変化群の識別語BECMGのイメージ図です。

(2)TEMPO(temporarily)
変化すると予想した状態が一度もしくは繰り返し発生し、それぞれが1時間以上連続して続かず、全体としてその現象の予想期間が予報有効期間の1/2未満の場合に用います。気現象は天気略語の組み合わせで、降水現象・視程障害現象・そのほかの現象ごとに必要に応じて強度・特性を付加して、最大3群まで、1つの群につき最大9文字で表します。天気現象の組み合わせの表し方は卓越順としています。

変化群の識別語TEMPOのイメージ図です。

ケ:変化開始時刻と終了時刻

上記変化群の識別語の後には、重要な天気現象が予想される期間を示し、最初の2つの数字が変化開始時刻(YYGG)を、後の2つの数字が終了時刻(YeYeGeGe)を示します。

コ:NSW(天気の終了:Nil Significant Weather)

重要な天気現象が終了すると予報する場合に天気現象に代わって記述する略語です。NSWは変化群のみ使用し、現象が終了するという意味と、並又は強い降水現象が弱くなるという意味の2通りがあります。

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