福岡管区気象台|気象防災部長からのご挨拶

"中辻 剛" 気象防災部長からのご挨拶です

 福岡管区気象台が管轄する九州地方(山口県含む)では、豪雨による災害が頻発するとともに、地震や火山活動も非常に活発です。平成29年7月九州北部豪雨や令和2年7月豪雨、平成28年の熊本地震は甚大な被害を生じさせ、今もなお記憶に新しく決して忘れることのできない災害となりました。加えて、南海トラフ地震による揺れや津波による災害も懸念されているところです。また、地球温暖化も着実に進行する中、徐々に高まる大雨や猛暑日の増加などのリスクへの適応策についても国をあげて進められつつあります。


 このような中、防災気象情報を発表する気象庁の役割が一層重要になってきていると感じており、私自身も身の引き締まる思いでおります。私たち気象庁から発表される警報をはじめとする各種防災気象情報は、受け手のみなさまに理解され、ご利用いただいて初めてその価値を生むものであると考えております。


 私たち気象業務に携わる者は、自然現象を正直に観測・監視し、予測技術の開発に研鑽を積むことと合わせて、情報の持つ意味や使い方をみなさまにご理解いただき、ご利用いただけるようにすることにも注力することが、共に両輪のごとく不可欠であると考えております。そのため、様々な周知・広報活動や、情報を防災対策に適切にご利用いただくため、防災関係機関との顔の見える関係づくりなども進めています。


 これからも謙虚に自然と向き合い、地方公共団体をはじめとする防災関係機関と手を携えながら、地域の防災力向上に貢献すべく努めてまいります。私自身宮崎県出身であり、九州のために力を尽くしたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。


令和3年4月 
 福岡管区気象台 気象防災部長 中辻 剛(なかつじ つよし)