福岡管区気象台では、海についての知識の普及を目的として、例年「海の科学講座 in 九州」を開催しております。
今般の新型コロナウイルス感染症対策の観点から、今年はオンライン開催とし、115名の皆様にご参加いただきました。
多数の質問もあり、盛会になりましたことを主催者一同お礼申し上げます。
テ ー マ:海からの“熱い”メッセージ ~海の生き物は温暖化する地球で生き抜けるか~
開催方法:ウェブ会議ソフトTeamsを用いたオンライン開催
(ホスト会場:福岡管区気象台)
参 加 費:無料(事前申し込みが必要です)
定 員:300名(定員に達し次第締め切ります)
申込期間:7月5日(火)9時 ~ 8月5日(金)17時
当ページをご覧いただきありがとうございます。
8月8日をもちまして参加申し込み受付を終了いたしました。
共 催:福岡管区気象台、九州大学応用力学研究所、水産研究・教育機構水産資源研究所
後 援:福岡県教育委員会、福岡市教育委員会、地球ウォッチャーズ-気象友の会-
<<講演題目>>
『海の気候変動:日本海異変』 講師:千手智晴(九州大学応用力学研究所 准教授) 温度変化の小さな海の中の生き物たちは、大気の「海」の中に住んでいる人間以上に気候変動の影響を感じています。今回の講演では、私たちに身近な日本海を例に、気候変動によって海の構造や流れがどのように変化しつつあるのか?を長期間にわたる観測データに基づいて紹介します。また日本海での研究が、世界の海の温暖化研究とどのようにつながっているのか?について解説します。 |
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『日本海固有水の水質長期変化』 講師:斉藤 秀(福岡管区気象台 気候変動・海洋情報調整官) 地球温暖化に伴って海の表面が温められて軽くなると、海が上下に混ざりにくくなります。その結果、海の表面と深層の間で酸素や栄養塩が交換しにくくなり、表面での生物生産が減り、深層は貧酸素化すると予想されます。深層では有機物が分解して栄養塩や二酸化炭素が再生しますので、これらの濃度は増えると考えられます。長期間にわたる比較可能な観測によって、近年明らかになってきたこれらの長期変化傾向について紹介します。 |
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『魚類資源と気候変動:マアジを例に』 講師:髙橋 素光(水産研究・教育機構 水産資源研究所 主幹研究員) 食卓に上る魚として身近なイワシ、アジ、サバなどの資源量は、海洋環境の変化に伴って数十年周期で大きく変動することが知られています。しかし、二十世紀後半から顕著になってきた地球温暖化がこれら魚類資源に与える影響は未だ明らかにされていません。近年、魚の頭部にある耳石と呼ばれる器官を分析することによって、その魚が成長に伴い経験した水温など環境条件を知ることが可能になりつつあります。本講座では、東シナ海から日本海に分布するマアジを例に、数年から数十年規模の海洋環境変動が成長や生残にどのように影響してきたかについてご紹介します。 |
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<<司会進行>>
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岸 真弓 (気象予報士・気象キャスター・防災士) プロフィール:群馬県出身。学習院大学文学部卒業。気象予報士、防災士。日本気象協会に所属した後独立。現在、気象キャスターとして、テレビ・ラジオに出演。防災についての講演など、精力的に活動。野菜ソムリエなどの資格も持つ。 |