・広島県に被害を及ぼす地震のタイプ(2)
南海トラフでのプレート境界の地震

 南海トラフのプレート境界で発生する地震は、広島県からは距離があるものの、地震の規模が巨大なため県内でたびたび被害を受けてきました。
 このうち、1946年の昭和南海地震(M8.0)では、家屋全壊などの被害が生じました。
地震調査研究推進本部地震調査委員会の長期評価によると、南海トラフ沿いの地域において、マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は、70~80%(令和4年1月1日現在)とされており、大規模地震発生の切迫性が指摘されています。
 南海トラフで発生する大規模地震では、昭和東南海・南海地震は南海トラフの東側の領域で東南海地震が発生し、その約2年後に南海トラフの西側の領域で南海地震が発生しました。また1854年の地震の際には、南海トラフの東側の領域で大規模地震が発生した約32時間後に、西側の領域で大規模地震が発生した事例が知られています。
 このように、過去の例から見ても南海トラフでの大規模地震の発生形態は多様であり、次に発生するものがどのような形態になるかを想定することは不可能です。
 下のリンクでは直近の3つの地震「宝永地震(1707年)」「安政南海地震(1854年)」「昭和南海地震(1946年)」についてそれぞれ簡単にまとめています。

震央分布図
南海トラフの地震年表
(出典:「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)」(地震調査研究推進本部)より)

「宝永地震(1707年)」    「安政南海地震(1854年)」    「昭和南海地震(1946年)」