高知地方気象台長の部屋

東日本大震災から10年(令和3年2月18日)

高知地方気象台ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
高知地方気象台長の佐伯亮介(さえきりょうすけ)です。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災(~東北地方太平洋沖地震~)から10年となります。
令和3年2月13日には、福島県沖で大きな地震が発生しました。
東日本大震災など、三陸沖で起こる大きな地震は、南海トラフ地震と同様に繰り返して発生し、甚大な被害をもたらせています。
四国沖を発生域とする、南海トラフ地震は、概ね100~150年間隔で繰り返し発生しており、大きな揺れや津波により甚大な被害が発生していることはご存じのとおりです。
この南海トラフ地震は、前回の昭和南海地震(1946年)から70年以上が経過しており、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきています。
次の南海トラフ地震は、いつ起きてもおかしくありません。そして大きな津波も。いざと言うときのために、準備すると共に、これまでの経験や教訓を、我が事として「歴史」に刻み、次世代に伝えていきましょう。

■南海トラフ地震特設ページ  - 命を守るための情報と行動 -

    ■南海トラフ地震に備えるポータルサイト

新年のご挨拶(令和3年1月1日)

高知地方気象台ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
高知地方気象台長の佐伯亮介(さえきりょうすけ)です。
新しい年がスタートしました。 改めて2020年(令和2年)を気象データから振り返ってみますと、昨年の日本の年平均気温偏差(1981~2010年の30年平均値からの偏差)は+1.07°C(1~11月の期間から算出した速報値)で、 統計を開始した1898年以降で最も高い値となる見込みです。 長期的にみると、日本の年平均気温は、100年あたり1.27°Cの割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が多くなっています。 また、昨年の台風の発生数は23個で平年に比べて少なく、日本に上陸した台風はありませんでしたが、台風第10号、第14号や『令和2年7月豪雨』により大きな被害が発生しました。

近年、気温の上昇や大雨の頻度増加等、気候変動が各地域で進行してきており、今後更に深刻化していくことが予測されています。このような環境となっていることを一人ひとりが認識して、 気候変動への対策(緩和策、適応策)を進めていくことが重要であると考えています。

気候変動

令和2年10月12日

台長写真

   高知地方気象台長 佐伯亮介

高知地方気象台ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
高知地方気象台長の佐伯亮介(さえきりょうすけ)です。
台風は浸水害、洪水害、土砂災害や高潮害など、多くの災害をもたらせます。およそ1年前の令和元年東日本台風(台風第19号)が東日本から北日本にかけて記録的な被害をもたらせたことは記憶に新しいところです。 これまで高知県においては、昭和45年(台風第10号)、昭和50年(台風第5号)、昭和51年(台風第17号)、平成16年(台風第23号)、平成17年(台風第18号)など、台風により甚大な被害が発生しています。 台風が接近し大雨が予想される際には、気象台をはじめ、防災機関から様々な「情報」が発表されます。そして災害の危険度が高まると、お住いの市町村(長)から皆さんに対して避難勧告や避難指示(緊急)が発令されます。 これらは何れも皆さんの命を守るための情報ですので、皆さん自身が危ないと考えて避難するなど『行動』に移すことが一番重要であり、いざと言うとき、迷わずに行動できるように普段から準備をしておくことがとても大切です。 例えば、大雨となったときなど、自分が住んでいる所がどのような状況になるのかを日頃から最新のハザードマップ(災害予測地図)で確認しておくことや、避難場所や避難経路の事前確認、非常用食料や持ち出し品等を準備しておくことが挙げられます。 命を守るためには、どうすればよいか? この難しい対応の一助となるように、気象庁では「大雨のときにどう逃げる?」をテーマに動画による学習教材(eラーニング)や「危険度分布から災害をイメージ」していただく動画を用意しています。 いざと言うときのために、ぜひ一度ご覧いただき、日頃の『準備』をしていただくよう、お願いいたします。

高知県知事との懇談

知事写真

令和2年6月2日、高知県庁を訪問し、濵田知事と懇談を行いました。
気象台から最近の気象台の地域への防災支援の強化に関する取り組みについて説明し、知事と懇談しました。

令和2年6月

津波フラッグ

公益財団法人 日本ライフセービング協会提供

今般の新型コロナウイルス感染症に罹患された方、ご家族、関係者の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
また、医療機関をはじめとする、感染拡大防止に日々ご尽力されている皆様に敬意を表するとともに感謝申し上げます。 高知地方気象台におきましても、防災気象情報を確実に伝達するための業務は、維持しつつ、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策に努めています。 5月31日、四国地方は梅雨入り、これから本格的な雨のシーズンを迎えます。 新型コロナウイルス感染症の影響により、災害からの避難においては、感染拡大を予防するため、「三つの密」を避けるとともに、マスクの着用や人との身体的距離の確保、安全な親戚・知人宅への避難など、これまでとは異なる対応も必要となることが想定されます。 このような点も踏まえながら、「自らの命は自らが守る」意識を持ち、普段から気象情報に留意していただくようお願いいたします。

津波警報等は、テレビやラジオ、携帯電話、サイレン、鐘等、様々な手段で伝達されます。
令和2年夏より、これらに加えて「津波フラッグ」が加わります。
波警報等(大津波警報・津波警報・津波注意報)は、テレビやラジオ、携帯電話、サイレン、鐘等、様々な手段で伝達されますが、令和2年夏より、海水浴場等では「津波フラッグ」による視覚的伝達が行われるようになります。 津波フラッグ」を用いることで、聴覚障がい者の方や、波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の方などにも津波警報等の発表をお知らせできるようになります。
海水浴場や海岸付近で津波フラッグを見かけたら、速やかに避難しましょう。

着任のご挨拶  令和2年4月1日

令和2年4月1日に着任いたしました。
高知地方気象台長の佐伯亮介(さえきりょうすけ)です。
高知県での勤務は初めてとなりますが、自然豊かな高知県で過ごせることに期待感が高まると同時に、歴史ある高知地方気象台の長として、その任務の重要性を重く感じているところです。 さて、ご存じのように高知県は、自然豊かな地域である一方、自然の厳しさも併せ持つ地域であり、過去には、土砂災害や洪水害、地震や津波等により多くの方々の命が奪われています。 近年は、大雨等の気象現象が局所化、激甚化し、大雨・台風や地震など様々な災害が発生しています。特に近い将来、発生が予想されている南海トラフ巨大地震や津波による被害が懸念されていることは言うまでもありません。 このような災害による被害を防止・軽減し、県民のみなさまの安心・安全の確保するため、高知地方気象台では、高知県や県内34の市町村、防災関係機関や報道関係機関と共に職員一丸となり、次のような取り組みを推進してまいります。
・ 関係機関と「顔の見える関係」の構築・連携の深化を図ります。
・ 日頃から受け手の皆さまの視点に立ち、分かりやすい防災気象情報の提供、解説に努めます。
・ 災害発生のおそれや危険が差し迫った場合や災害発生時には、きめ細かな防災気象情報を提供するなど、防災機関の応急復旧活動の支援に努めます。
残念ながら自然災害は、いつか必ずやってきます。高知地方気象台は地域のみなさまのパートナーとして、これからも地域に密着し貢献してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。