高知豪雨 (1998年9月24日~25日)


概要

西日本の南岸に停滞していた秋雨前線は次第に活動を強めながら9月23日から24日早朝にかけ瀬戸内付近まで北上、25日未明までほとんど停滞した。秋雨前線の南では24日夜から25日未明にかけ高気圧の縁を回る南からの暖湿流と、前線に沿った南西からの暖湿流が四国付近で収束した。このため、足摺岬付近から窪川町の沿岸部にかけての土佐湾沿岸部で次々と雨雲が発生して発達、雷を伴いながら北北東~北東進して高知市~南国市(後免)~土佐山田町(繁藤)にかけて次々と流れ込み、長時間に渡って強雨を降らせた。

天気図及びレーダー

経路図

経路図



気象状況

秋雨前線や暖湿流の影響で、24日の午前中は東部の所々で1時間40mmを越える激しい雨が降り、芸西では10時までの1時間に96mmの猛烈な雨を観測した。この雨雲は次第に中部に移り昼過ぎには一旦弱まった。しかし夕方からは中部に停滞していた雨雲が再び強まり、また山陰付近にあった別の雨雲がゆっくり南下して、夜には中部に停滞していた雨雲と重なり雨雲は更に強まった。このため、22時までの1時間に高知市で112mm、23時までの1時間に須崎で126mm、南国市後免で119mm、香美市繁藤で109mmを観測、特に高知市では25日01時までの4時間に362mmという集中豪雨となるなど、中部を中心に24日21時から25日04時にかけての長時間に渡り非常に激しい雨となった。 高知では日最大10分間降水量28.5mm、日最大1時間降水量129.5mm、日降水量628.5mm、月最大24時間降水量861.0mmがそれぞれ観測開始からの極値を更新した。この2日間の降水量は高知・後免で874mm、繁藤で991mmであり、これは9月の月降水量平年値の2.5~3倍となる記録的な豪雨となった。

高知の各時間雨量(高知市比島)

時間雨量



雨量表

雨量表