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| 題 目 | 著 者 | |
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| ABL用ゾンデの飛翔予測シミュレーションプログラムのパラメータの設定 | [要旨] | 阪本 実紀・山崎 杏莉・阿保 敏広 |
| ブリューワー分光光度計の国際相互比較(2025年) | [要旨] | 上里 至 |
高層気象台(以下,観測地点名を表す館野という)では,ラジオゾンデの飛揚前にその落下位置を予測する飛翔予測シミュレーションプログラム(AOS)を開発し利用してきた.このAOSは観測器材による飛翔経路の違いを表現するため,観測器材ごとにパラメータを設定している.本調査では,2023年3月に館野に集合型GPS高層気象観測装置(ABL)が整備されたことを受け,ABL観測器材に対応したパラメータを作成し,精度の評価を行った.
館野と同型のABLを運用している4官署(八丈島,名瀬,石垣島及び南大東島)における2年分の観測データから,ABLにおける到達高度や降下速度の特性を反映させたABL用のパラメータを作成した.このパラメータを使用して館野における約10か月間の09時及び21時観測に対してAOSで落下位置の予測を行い,ABL観測後にラジオゾンデが実際に落下した位置との比較を行った.この検証には落下予測範囲を表す予測楕円(70%の確率で落下する範囲)内への実際の落下率やその楕円の領域の面積を用いた.予測楕円内に実際に落下した割合(捕捉率)は74.5%となった.また,夏季の予測楕円が,MBL用のAOSによる予測結果に比べやや広いことがわかった.これは,夏季は偏西風が弱まることで捕捉率が高くなることが理由である.捕捉率70%が最適なパラメタリゼーションであることから4.5%の誤差が見積もられるが,今回作成したパラメータを用いることで, ABL観測においてAOSによる落下位置予測が可能となった.
気象庁(Japan Meteorological Agency:JMA)は,カナダ環境・気候変動省(Environment and Climate Change Canada:ECCC)において,2025年9月11日から22日の日程で世界気象機関(World Meteorological Organization:WMO) が実施したブリューワー分光光度計の国際相互比較に参加した.気象庁では,オゾン全量観測については概ね2年ごとに,波長別紫外域日射観測については概ね4年ごとにECCCが管理するブリューワー分光光度計の世界基準器群と相互比較を行っている.今回の国際相互比較では,2023年に両観測の相互比較を実施していることから,オゾン全量観測のみを対象とした.
オゾン大気外定数を校正する前の世界準器とのオゾン全量の相互比較結果では,気象庁の国内準器の観測値は世界準器に対して-0.5%の差であり,WMOが要求する観測精度の範囲内で維持できていたことを確認した.気象庁の国内準器は,精密な動作を必要とする分光器部に不調を抱えていたが,本相互比較の期間中に分光器部に関する保守を実施したうえで,保守に伴い変化したオゾン観測用定数を複数の点検結果を基に校正した.これにより,国内準器のオゾン大気外定数はより高い精度となり,国内準器のオゾン全量観測値は世界準器と0.1%未満で一致した.
今後は,今回の国際相互比較の結果を気象庁の観測に適用するため,国内準器を基準に相互比較を行い,高層気象台及び南極昭和基地で使用する運用測器のオゾン大気外定数の校正を実施する.