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| 題 目 | 著 者 | |
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| ABL用ゾンデの飛翔予測シミュレーションプログラムのパラメータの設定 | [要旨] | 阪本 実紀・山崎 杏莉・阿保 敏広 |
高層気象台(以下,観測地点名を表す館野という)では,ラジオゾンデの飛揚前にその落下位置を予測する飛翔予測シミュレーションプログラム(AOS)を開発し利用してきた.このAOSは観測器材による飛翔経路の違いを表現するため,観測器材ごとにパラメータを設定している.本調査では,2023年3月に館野に集合型GPS高層気象観測装置(ABL)が整備されたことを受け,ABL観測器材に対応したパラメータを作成し,精度の評価を行った.
館野と同型のABLを運用している4官署(八丈島,名瀬,石垣島及び南大東島)における2年分の観測データから,ABLにおける到達高度や降下速度の特性を反映させたABL用のパラメータを作成した.このパラメータを使用して館野における約10か月間の09時及び21時観測に対してAOSで落下位置の予測を行い,ABL観測後にラジオゾンデが実際に落下した位置との比較を行った.この検証には落下予測範囲を表す予測楕円(70%の確率で落下する範囲)内への実際の落下率やその楕円の領域の面積を用いた.予測楕円内に実際に落下した割合(捕捉率)は74.5%となった.また,夏季の予測楕円が,MBL用のAOSによる予測結果に比べやや広いことがわかった.これは,夏季は偏西風が弱まることで捕捉率が高くなることが理由である.捕捉率70%が最適なパラメタリゼーションであることから4.5%の誤差が見積もられるが,今回作成したパラメータを用いることで, ABL観測においてAOSによる落下位置予測が可能となった.