オゾン全量観測
オゾン全量とは?
地表から大気上端までの単位面積の気柱に含まれる全てのオゾンのことをオゾン全量といいます。
観測されたオゾン全量は、1気圧、0℃として地表に集めた時にできるオゾンだけからなる層の厚さで示され、単位はm atm-cm(ミリアトムセンチメートル)またはDU(ドブソンユニット)で表記されます。
例えば、オゾン全量が300m atm-cmで観測された場合、大気中に含まれるオゾン全てを1気圧、0℃の地表に集めると3mmの厚さに相当するということを示します。
気象庁ではブリューワー分光光度計を用いてオゾン全量を観測しています。
観測の種類
- 太陽の直射光を利用した観測
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理論的な計算によりオゾン全量を算出することができ、最も精度の高い観測です。
ただし、雲などにより直射光が遮られると観測できません。
- 天頂からの太陽散乱光を利用した観測
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曇りなどで、太陽直射光による観測ができない場合に利用します。
直射光観測との比較から算出される経験式を基に決定されます。
- 月の光を利用した観測
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南極のように1日中太陽が昇らなくなる(極夜といいます)高緯度帯でも月の光で観測を行うことができます。
ただし、月の光は弱いので、月齢や月の相対大気路程(天頂角に関係した値)による制限があります。
観測結果と速報値
オゾン全量観測は毎日行い、その結果は世界気象機関(WMO)全球通信システム(GTS)を通して世界中の気象機関へ速報しています。
さらに、品質管理を行ったオゾン全量観測値は大気・海洋環境観測年報にて公開するとともに、世界オゾン紫外線資料センター(WOUDC)へ送付され全世界に公開されています。
つくば(高層気象台)で観測された日々のオゾン全量観測値の一例
横軸は時間(1日ごとに目盛)、縦軸はオゾン全量(m atm-cm)。青、赤、黄色の丸印はブリューワー分光光度計によるオゾン全量観測値、黒色中抜きの記号はその他の手段で観測・推定されたオゾン全量値、灰色線は日別参照値及び参照値±1標準偏差を表します。
(参照値は1994年から2008年の累年平均値です。)