火山防災の日と埼玉県内の降灰

はじめに

 埼玉県には活火山はありません。しかし近隣の火山の噴火により、県内への降灰があると考えられています。また、県外の活火山に登山をされる方もいらっしゃるかと思います。ですから、火山防災について他人事と思わずに、火山に対して正しい知識を得ていざというときに備える必要があります。

 本ページでは、令和5年に制定された火山防災の日と、埼玉県内での降灰についてご紹介します。

「火山防災の日」について

 


火山防災の日

 令和5年(2023年)、活動火山対策特別措置法(活火山法)の一部が改正され、国民の間に広く活火山対策についての関心と理解を深めるため、8月 26 日を「火山防災の日」に制定しました。火山防災の日には、防災訓練等その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めることとされています。

8月26日を「火山防災の日」とした理由

 明治44年(1911年)8月26日に、浅間山に日本で最初の火山観測所が設置され、器械を用いた近代的な観測が始まったことから、この日を「火山防災の日」とすることになりました。

 下の写真は大正2年(1913年)6月30日に撮影された浅間火山観測所の写真です。左側の人物は日本の火山観測の基礎を作った大森房吉博士で、右側は西澤順作長野測候所長です。この2人の指導により、明治期から大正期における浅間山の火山観測は精力的に実施され、我が国最初の火山観測所の設立運営は結実されました。


 

 図1 大正2年(1913年)6月30日に撮影された浅間火山観測所の写真


あなたにしかできない火山防災

 火山災害は、噴火などの火山で起きる様々な現象によるもので、発生してから被害を与えるまでの時間が非常に短く、起きてから調べて行動するのでは間に合わないことがとても多いです。そのため事前に「どこが危ないのか」「危ない時の情報をどのように入手するか」「危ない時はどう行動するか」を知っておくことが大切です。

埼玉県での降灰について

降灰について

 火山の噴火は、時として重大な災害を引き起こします。火口から飛んでくる大きな噴石や、山の斜面を流れ降りる火砕流などは、命を奪う非常に危険な現象です。

 一方で、火山から遠く離れた場所でも、噴火による火山灰が上空の風に流され、広範囲に降り積もり、日常生活に影響を及ぼすことがあります。このように火山灰が地表に降る現象を「降灰」と呼びます。


 下の表1に降灰の量と影響について示します。例えば、鉄道や航空機は降灰量が1mm未満であっても運休や欠航となる可能性があります。それ以外にも、火山灰の堆積や視界不良に伴って自動車の運転が困難になることや、停電、建物倒壊、健康被害等、様々な分野にわたって被害や影響が生じることが懸念されます。


降灰の範囲や量は、噴火の規模や上空の風などにより異なります。このため気象庁では、平成20年から降灰予報の発表を開始し、平成27年3月からは噴火後に、どこに、どれだけの量の火山灰が降るかについて、詳細な情報をお伝えしています。



 表1 降灰の量とその影響について  リーフレット「降灰予報」(気象庁作成)より引用

 


埼玉県で降灰が確認された近年の主な事例

 埼玉県では近年、主に浅間山の噴火による降灰が確認されています。


 表2 埼玉県で降灰が確認された近年の主な事例

噴火した年 火山名 降灰の状況
1973年 浅間山 狭山市で4mmの降灰。また、ほかの市町村でも降灰や空振を確認。
1982年 浅間山 埼玉県のほか、群馬、東京、千葉、長野の各都県で降灰が認められた。
2004年 浅間山 埼玉県のほか、東京、神奈川、千葉、長野の各都県で降灰が認められた。
2009年 浅間山 埼玉県のほか、東京、神奈川、長野の各都県、伊豆大島でも降灰が認められた。
図2 2004年9月14日の浅間山の噴火の様子。軽井沢測候所(当時)から撮影。 図3 2004年9月16日未明~17日夕方までのほぼ連続的な噴火による降灰分布。●は降灰の報告があった地点、○は降灰なしの報告があった主な地点を示す。
2004年の浅間山の噴火について

図4 2009年の浅間山の噴火による横瀬町役場周辺の降灰の様子。白い部分が火山灰である。 図5 横瀬町で採集した火山灰。
2009年の浅間山の噴火について

埼玉県で想定されている降灰

 埼玉県では富士山や、浅間山、草津白根山などが噴火した際に降灰の可能性があると考えられています。

 富士山については、大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループが公表した「富士山噴火をモデルケースとした降灰対策の報告書(令和2年)」によると、埼玉県内で降灰が最も多くなるケースで、県南部で2~4cm、特に三郷市や八潮市の一部で8~16cm、県北部の大部分及び秩父地域で0.5cm程の降灰があると考えられています。また、埼玉県に近い浅間山や草津白根山などの火山が噴火した際にも、県内で最大数cmの降灰があると考えられています。

 これらの火山が噴火した際は、気象庁から発表される降灰予報などの情報についてテレビやラジオ、インターネットなどで確認していただき、状況に合わせた対応行動を取りましょう。


 

 図6 西南西風が卓越する場合に想定される降灰の最終堆積厚。地図上の色で塗られた部分に火山灰が堆積すると想定されている。図中右側の凡例は堆積厚(cm)を示す。
大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ 「降灰シミュレーションのパラメータと計算結果」(令和2年4月)より引用


参考資料

関連リンク(気象庁ホームページ)

問い合わせ先

 熊谷地方気象台 防災担当

 ・電話 : 048-521-5858(平日8:30~17:15)

 ・住所 : 〒360-0814 埼玉県熊谷市桜町1-6-10

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