埼玉県の気候の特徴

 埼玉県の気候は、太平洋側気候に属します。冬は北西の季節風が強く、晴天の日が多くて空気が乾燥します。夏は日中かなりの高温になり、雷の発生が多く、降ひょうも多いのが特徴です。梅雨と秋霖(しゅうりん)のころは、曇りや雨の日が多く雨季のごとき現象を呈します。台風は襲来するが、強烈なものは少ないといえるでしょう。さらに、地形、海抜などを考慮すれば、北部をはじめとして大部分は内陸性ですが、南部の平地では沿岸の気象特性が加わり、秩父地方の山地では、盆地型の気候や山岳気候が現われています。

 埼玉県における四季の変化は規則正しく明瞭で、熊谷における年平均気温と年間降水量は15.4℃、1305.8mmと、生活にはおおむね好適といえますが、台風、雷などによる様々な気象災害が毎年起こっています。春先には晩霜、5月~7月には降ひょうに注意が必要です。6月から7月中ごろにかけての梅雨と、9月から10月初めにかけては特に雨が多くなっています。

平野部の気候

県の東部に位置する平野部のうち、北部は内陸性、南部は海洋性の特徴が見られます。しかし、あまり大きな差はありません。

山地の気候

県の西部に位置する山地のうち、南部及び東部(旧大滝村から飯能市付近)で雨が多く、北西部(旧吉田町から旧児玉町付近)ではやや少くなっています。夏には雷雨が多く発生します。降水量の最も多いのは9月です。

気温は平地にくらべると、2~4℃位低く、標高に対しては、100m高くなるごとに0.6℃位ずつ低くなります。

春と秋は短く、冬の期間が長くなっています。雪は主として山地の南部に多く、山岳地方ではかなりの積雪となります。

秩父盆地では10月から11月にかけて朝霧が発生しやすく、3~4日に1日くらいの割合で霧が発生します。盆地では風がきわめて弱く、夏の日中の気温がかなり高い一方、冬の期間は冷え込みが強く、朝の最低気温はかなり低くなります。

地域による特性

南部

冬の北西の季節風は比較的弱いが、日本海を発達した低気圧が通るときに南の風が強まる。

朝の冷え込みは比較的弱いため、冬においても、県内では暖かい地域といえる。霜の降りる期間も短い。

南の地域ほど海の影響を受けやすく、台風などの時には塩害を受けることもある。

山沿いでは冬の夜間の冷え込みが強く最低気温が-10℃ぐらいに下がることもある。

北部

夏と冬の気温が県内で高い地域にある。夏の日最高気温は熊谷で41.1℃を記録している。

雷雨が多く突風が吹きやすく、また降雹の多い地域でもある。

雨量は県内で比較的少ない。冬の季節風が強まると、県内で最も風の強い地域となる。

山沿いでは夜間の冷え込みが強く晩霜の害を受けやすい。

秩父地方

県内では気温が低い地域で、霜や氷の期間が比較的長い。盆地では冬期に夜間の冷え込みが強く、秩父における1月の平均最低気温は-3.8℃であり、最低記録としては-15.8℃を記録している。気温の日較差が大きい。

風は一般に弱いが、台風時には瞬間的に強い風が吹く。雨量は9月に最も多く、県内では雨の多い地域となっている。また、放射霧による濃霧の発生が多い。

問い合わせ先

 熊谷地方気象台 防災担当

 ・電話 : 048-521-5858(平日8:30~17:15)

 ・住所 : 〒360-0814 埼玉県熊谷市桜町1-6-10