釧路地方気象台の歴史

沿革

1889(明治22)年8月1日 北海道庁所管の釧路測候所として幣舞町(現釧路市)にて業務開始
1889(明治22)年12月1日 標茶町に移転し、釧路二等測候所に改称
1910(明治43)年1月1日 釧路町(現釧路市幣舞町)に移転
1919(大正8)年5月15日 釧路測候所に改称
1939(昭和14)年11月1日 国営移管(文部省)
1943(昭和18)年11月1日 運輸逓信省に移管(1945年運輸省、2001国土交通省)
1957(昭和32)年9月1日 釧路地方気象台に改称
2000(平成12)年10月5日 現在の場所(釧路市幸町 釧路地方合同庁舎)へ移転
気象レーダーを釧路町昆布森に新設
2010(平成22)年3月 釧路市益浦に高層気象観測施設を新設
2021(令和3)年12月23日 気象レーダーを二重偏波気象ドップラーレーダーに更新

歴史

<1889(明治22)年8月1日 釧路測候所として業務開始>
釧路町民の要望により、幣舞町(現釧路市)にて釧路郡役所(写真左の建物)官舎の一部に観測機器を設置し、職員2名で気象観測を開始しました。当時は北海道庁第二部地理課に属していました。場所は現在のまなぼっと付近(花時計横の富士見坂を上がりきったあたり)。

釧路郡役所(左建物)と釧路警察署(右建物)(明治20年代) 写真:北海道大学附属図書館所蔵


<1889(明治22)年12月 標茶へ移転し釧路二等測候所に改称>
業務を開始して、わずか3カ月で標茶へ移転し、「釧路二等測候所」に改称しました。場所は、現在の標茶町開運町、北海道庁内務部農商課に移管されました。

標茶時代の釧路二等測候所 写真:北海道大学附属図書館所蔵

明治時代の宮津測候所(京都府) 当時はどこの気象官署にも掲示板があった

当時使用していた気象信号標柱
文章によると大風が起こる前にお知らせするもので、船から見えるよう高くして赤い玉や円錐を掲げ風向き(下が細い円錐は南寄りの風)などを示していた。 柱は赤白で1メートルずつ塗り分けられ、赤玉も直径1メートルとのことで、かなりの大きさであることがわかる。

明治時代の四日市測候所の気象信号標柱
左の解説図より古いタイプのもの。気象官署がないところにも船舶用に設置され、釧路管内では今の厚岸町湾月、釧路市米町付近にも昭和44年ころまであったようである。

<1910(明治43)年1月1日 再び釧路へ>
釧路町(現釧路市幣舞町)に移転しました。大正8年に釧路二等測候所から釧路測候所に改称、昭和32年には釧路地方気象台に改称しました。
2000(平成12)年に合同庁舎に移転する90年間、この場所で業務を行っておりました。また、昭和46年には同場所に気象レーダーが竣工しました。

釧路測候所(明治42年10月5日竣工)

幣舞町にあった気象レーダー(昭和46年7月31日竣工)

昭和33年の釧路川近隣写真。海霧観測のため自衛隊ヘリに同乗して撮影。

花時計と気象レーダー

<2000(平成12)年10月5日 合同庁舎へ>
現在の所在である釧路地方合同庁舎(釧路市幸町)に移転しました。旧庁舎敷地内にあった気象レーダーは廃止、釧路町昆布森に新設しました。
平成22年には、釧路市益浦に自動で気球を揚げ高層の気象を観測する高層気象観測施設を竣工しました。

釧路地方合同庁舎と雌阿寒岳

釧路町昆布森の気象レーダー

釧路市益浦の高層気象観測施設
建物に隠れて見えないが、気球の下に手のひらサイズの観測機器を吊るし、上空30kmまで上昇しながら観測する。データは電波で受信する。道内では、札幌・釧路・稚内で実施しているが、そのうち自動で気球を揚げる装置があるのは釧路のみ(他は職員が手動で揚げている)
ラジオゾンデによる高層気象観測の知識のページ気象庁ホームページのリンクのアイコン

<2021(令和3)年12月23日 二重偏波気象ドップラーレーダーの運用開始>
釧路町昆布森の気象レーダーを、二重偏波気象ドップラーレーダーに更新し12月23日15時00分より運用を開始しました。

釧路町昆布森の気象レーダー
球体はレドームと呼ばれ、中に設置しているパラボラアンテナを風雨降雪から保護している。アンテナが回転しながら水平方向と垂直方向に振動する電波を発射し、反射波を捉え雨や雪を観測している。札幌・釧路・函館の3か所で北海道全域を観測している。

※二重偏波気象ドップラーレーダーの説明は、
以下リンク中の「気象レーダー観測の概要」を参照願います。
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注)末尾に別へのリンクサイトアイコンが付加されているものは 気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/)札幌管区気象台ホームページ内のページへのリンクです。

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