・京都府南部の地震活動状況
2022年3月31日23時34分頃に京都府南部を震源とする深さ13km、マグニチュード(以下、M)4.4の地震(最大震度4)が発生し、その後、その近傍で同程度(M4程度)の地震が3回(4月に2回、5月に1回)発生するなど、6月にかけて 地震活動が活発化しました(図1)。中でも、5月2日のM4.4の地震では最大震度4、4月25日のM4.1と4月30日のM4.3の地震では、最大震度3を観測しました。3月31日の地震が発生して以降、地震活動が活発となり、消長を 繰り返しながら継続してきているものの、6月中旬以降はそれ以前と比べると活動が落ち着いてきています(図2)。


深さ20km以浅の地震を対象。M4以上の地震に吹き出しを 左:M、縦軸右:地震回数。吹き出しは図1と同様)
付加。橙色の線は地震調査研究推進本部の長期評価による
活断層を示す)
・京都府南部の地震活動により観測した震度状況
京都府南部の地震(図1の四角領域内)で府内で震度1以上を観測した地震は、震度4が2回、震度3が2回、震度2が4回、震度1が7回の計15回(2022年7月以降は観測されていません)となっています(2022年12月31日現在)(表1、図3)。 なお、個々の地震の震度の状況などは京都府の地震活動(定期刊行物)の該当月号をご覧いただき、一口メモでは、京都府南部の地震を取り上げています(2022年3月~6月号)ので、そちらもご参考に してください。
表1 震度1以上を観測した地震一覧(2022年3月20日~6月
10日。色付きは最大震度3or4の地震。)


日~6月10日)。M4級の地震についてはMを記す。
・京都府南部の地震活動域周辺の状況
京都府南部の地震活動の近傍には、下記の「京都府の活断層」で述べている文部科学省地震調査研究推進本部が主要活断層として評価している三峠・京都西山断層帯があり(図4)、M7クラスの地震が発生すると想定しています。また、図5から断層帯周辺では、
過去にM4程度の地震はたびたび発生しており、三峠断層付近では、1968年にM5.6、最大震度4の地震が発生しています。なお、今回の地震活動域は、京都西山断層帯付近に位置していますが、断層帯と今回の地震活動との関係については分かりません。
【参考】三峠・京都西山断層帯の長期評価について(地震調査研究推進本部ホームページ)


深さ50km以浅の地震を対象。三峠・京都西山断層帯付近のM5 図4と同様)
以上の地震に吹き出しを付加。星印は京都府南部の地震のおお
よその震源位置。橙色の線は地震調査研究推進本部の長期評価
による活断層を示す)
さらに、図1の四角領域内(亀岡市付近)を拡大した震央分布図が図6になります。図6から、京都府南部の地震活動は、京都西山断層帯の西側の亀岡盆地(平野部)で発生しているのが分かります。また、図6から1997年10月以降、過去に周辺で最大震度4を観測する 地震が発生しており、1999年や2014年ではM3後半~M4程度の地震が短期間の内に集中して発生したこともありました。


深さ20km以浅の地震を対象。震度4を観測した地震に吹き出しを 縦軸左:M、縦軸右:地震回数)
付加。地図は鳥瞰図を使用。黄色の線は地震調査研究推進本部の
長期評価による活断層を示す)