宮古島臨時気象観測所
昭和6年(1931年)8月9日、宮古島に猛烈な台風が襲来し、死者6名、家屋の倒壊3,717棟、船舶の被害48隻という甚大な被害をもたらしました。当時、宮古島に測候所はなく、この災害を契機に、多年の宿願であった測候所創設の気運が急速に高まりました。支庁から県を通じて政府に測候所建設の陳情が盛んに行われた結果、政府は測候所の設置を認め、まず昭和7年から台風期だけ臨時気象観測所を置くこととし、宮古支庁構内に事務所を開設しました。
昭和7年6月、中央気象台・沖縄測候所から職員が派遣され、フォルタン気圧計、ロビンソン風力計、風向計、乾湿計等を用いて測候所並の観測を開始しました。昭和7年~9年の3ヵ年間、6月~9月の台風期に観測を行ない、気象電報を中央気象台と沖縄測候所に打電しました。また、沖縄測候所の気象通報を受信し、天気図を作成して、予報を毎日、新聞と支庁掲示板で発表しました。台風時は構内の暴風信号柱に赤玉及び赤電球をつけて信号通報をしました。