気象観測業務・アメダスの概要
- 地上気象観測
- 季節現象
- 地域気象観測-アメダス-
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地上気象観測
地上気象観測とは、気象測器や職員によりさまざまな気象現象を観測することです。
長野地方気象台では、明治22年(1889年)から地上気象観測を続けています。
観測項目は、気温、湿度、露点温度、降水量、降雪量、積雪深、風向・風速、全天日射量、日照時間、視程、大気現象です。
その結果は天気予報、注意報・警報、気象情報、資料照会等に利用されます。
近年、気象レーダーや気象衛星等による観測を利用して、総合的に大気の状態を把握することができるようになっていることを踏まえ、当台では平成31年2月より職員の目視による天気や大気現象および視程の観測は自動化されました。
雨量計
長野地方気象台の露場に設置している「転倒ます型雨量計」です。
雨量計の周りについているドーナツ状のものは「助炭」といって、雨量計周りの乱気流を防いで、雨や雪を受水口に入り易くするためのものです。
雪はヒーターの熱で融かした水の量を観測しています。
感雨器
長野地方気象台に設置されている「感雨器」です。
水が電気を通す性質であることを利用しています。
円筒の上部に、つながっていない細い電線が張り巡らされていて、そこに雨や雪の粒が当たると電極が短絡して降水があることが判ります。
わずか直径0.5ミリのほとんど霧雨程度の雨粒から検知できる仕様になっています。(霧雨は0.5ミリ未満の雨粒)
積雪計
長野地方気象台の露場に設置している「積雪計」です。
光電式の積雪計で、ポールの上部に付いている感部から「レーザー光」を発射して、雪面で反射して感部に戻るまでの位相差から、距離を求めて積雪の深さとして観測しています。
視程計
「視程計」は通常、光を出す投光部とそれを受ける受光部を配置して、投光した光が大気で減衰又は散乱される量を測ることによって視程を測定するもので、投・受光部の位置関係から、透過率方式、前方散乱方式及び後方散乱方式の3方式があります。
視程計による視程は定量的ですが、限られた空間の空気中のちりなどによる光の減衰・散乱の度合いから求めるため、目視による視程とは差が出る場合があります。対象とする目的を考慮した上で活用することが必要です。
風向風速計
長野地方気象台の「測風塔」(そくふうとう)の一番高くて風通しの良い所に付いているのが「風車型風向風速計」です。
プロペラの回転数で風速を観測しています。
また、風が吹くと垂直尾翼により、プロペラが風上に向くように回転するため、胴体の向きから風向(風の吹いてくる方向)を36方位まで観測しています。
日照計
透明の筒の中で、常時回転している反射鏡に当たった太陽の光が「光センサー」に当たることにより、日差しの出ている時間を観測しています(日影が出来る程度の日差し)。
長野地方気象台では現在この「回転式日照計」を使用していますが、日照計にはこの他に「太陽電池式」や「太陽追尾式」などの方式のものがあります。
全天日射計
ガラスドームの中にある黒い受光部に当たる直達日射(いわゆる直射日光)や雲などから反射する日射を全て合わせた全天日射量をエネルギーに換算して観測しています。
ガラスドームが曇らない様に通風ファンが内蔵されています。
日射計にはこの他に、太陽を追尾しながら直達日射量だけを観測する直達日射計などもあります。
季節現象
初霜、初氷、初雪、初冠雪*を観測します。
*長野では、気象台から東方に見える志賀高原の山々及び菅平の四阿山(あずまやさん)や根子岳(ねこだけ)を対象に「東方連山」として通報を行います。
長野地方気象台測風塔から見た東方連山 2020年12月17日撮影
地域気象観測 -アメダス-
(AMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System)
野沢温泉村に設置されているアメダス
全国約1,300か所(約17km間隔)に設置した無人の観測所で、降水量などを自動的に観測、送信するシステムで、「アメダス」の名前でお馴染みのものです。
長野県内には45か所、このうち30か所(約21km間隔)では降水量に加えて、風向・風速、気温、湿度*を観測しているほか、8か所では積雪の深さも観測しています。
長野県内のアメダスを含めた気象観測所の配置図はこちらから参照できます。
※気象官署・特別地域気象観測所を除く地域気象観測所では、令和3年3月2日から、気象衛星等のデータを基に日照時間の面的データを推計した「推計気象分布(日照時間)」から得る推計値を提供しています。
*湿度を観測している地点:長野、軽井沢、松本、諏訪、飯田、上田、木曽福島、開田高原、飯山