1993年(平成5) 8月 島原半島と県北の大雨

概況

8月16日から20日にかけて、停滞前線は対馬海峡から九州付近に停滞した。この間の17日の早朝と19日の夕方前に低気圧が対馬付近を通過した。
このため、17日は長崎地方北部で、19日は県内ほぼ全域で日降水量が100mmをこえた。佐世保では19日の12時10分までの一時間に72.5mmの降水量を記録した。

平成5年8月19日09時の天気図

災害の概況

19日午後6時頃、南高来郡加津佐町津波見の国道251線沿いで高さ40m幅30mにわたり崖が崩れ、走行中の軽自動車が巻き込まれ、土砂に押し流されて約10m下の海岸に転落。
運転していた同郡小浜町の女性(23才)と同乗の妹(15才)が頭の骨などを折り死亡した。
17日朝、佐世保椎木町では16棟が床下浸水した。19日午前4時20分と午後3時40分ころ、普賢岳のふもとの水無川で土石流が発生した。また、20日早朝、島原市の眉山と水無川、中尾川流域で相次いで土石流が発生した。
眉山の土石流は同市萩が丘一丁目の市営住宅などを襲い、さらに繁華街に通じる市道に直径50cm大の石や流木が散乱した。住家・非住家合わせた被害数は、萩が丘地区を中心に約200棟に上り、床下浸水が多かった。
市営住宅に流入した流木で主婦(57才)が両膝に軽傷を負った。
このほか、県内各地で崖崩れや浸水などの被害が多数あり、JRなどに運休が出た。

被害

長崎
死者 2人
重軽傷 1人
全壊家屋 1棟
半壊家屋 11棟
床上浸水 27棟
床下浸水 156棟
道路損壊 8件
山がけ崩れ 27件

観測値

各地の日雨量(mm)
17日 18日 19日 20日
長浦岳 83 25 132 28
国見山 131 47 135 35
島原 40 8 90 50
深江 x 10 107 35

佐世保測候所の毎時雨量(mm)
  時\日 8月17日 18日 19日 20日
1 5.5 1.0 0.5 0.0
2 1.5 0.0 0.0 1.0
3 17.5 0.5 3.0 0.0
4 20.5 0.0 5.0 10.0
5 11.0 0.0 2.5 14.0
6 0.0 3.0 20.5
7 0.5 0.0 3.0
8 12.0 0.0 0.5 0.5
9 39.5 2.0 0.5
10 15.5 9.5 3.0
11 2.0 8.5 5.5
12 2.0 3.0 68.5
13 15.5 3.5 31.0
14 1.0 2.5 8.5
15 0.5 0.5 8.0
16 1.0 2.0 5.0
17 1.5 0.0 2.0
18 1.5 0.0 4.0
19 0.5 0.5 3.5
20 0.0 0.0 1.0
21 0.5
22 2.0 0.0
23 0.0 0.0
24 0.5 1.0
日計 149.0 37.5 155.0 49.0
総計 390.5
1時間最大 72.5
同上起日時 19日11:10~12:10

気象庁リンク:梅雨前線、台風第7・11号 平成5年(1993年) 7月31日~8月29日


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