気象観測について

 気象庁では、地上や海洋での気象観測や気象衛星による宇宙からの観測など、さまざまな方法により日夜休みなく観測を行っています。また、近年の技術の進歩を背景にして観測の自動化や新しい観測も始めています。
 天気予報を行うためにまず必要になるのが、観測データの収集となります。
 気象庁で行っている観測には、地上気象観測、気象レーダー観測、高層気象観測、気象衛星による観測などがあります。

観測について


 地上気象観測では、地上付近の気圧、気温、風向・風速、降水量、雲、視程等の観測を行っています。また、全国約1,300カ所に設置したアメダスでは降水量、風向・風速、気温、日照時間を観測しています。

露場(露場):測器のある場所 温度計、湿度計 風向風速計 雨量計

 気象レーダー観測とは、アンテナから発射した電波のうち、雨粒や雪片に反射してくる電波を受信することにより、降水の強さや降水域の広がりなどをリアルタイムに把握するものです。

レーダードーム


 ラジオゾンデによる高層気象観測は、上空の大気の状態を知るために観測機器を気球に吊して飛揚させ、高度約30kmまでの気圧、気温、湿度、風向・風速を観測するものです。


 ウインドプロファイラ(2001年導入)による高層気象観測は、地上約12km程度(気象状況次第)の風向・風速を上空に発射した電波の散乱波を受信することにより連続的に自動観測しています。このデータは、時間的にきめ細かに観測が行えることから、今後の数値予報の精度向上に期待されているデータのひとつです。

ウィンドプロファイラ


 静止気象衛星は、赤道上空36,000kmにあり、雲の分布や雲の高さ、上空の風の状況、海面の水温の分布などを観測しており、特に観測データが乏しい洋上における台風や低気圧などの動きをつかむための重要な手段となっています。