コラム①

ニングヮチ・カジマーイ(二月風廻り)

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 春先に東シナ海低気圧が急速に発達しながら沖縄付近を通過する日があります。沖縄では、これを昔からニングヮチ・カジマーイ(二月風廻り)と呼んでいます。 発生時期が旧暦の2月(新暦では3月)頃であること、また、風の廻り(変化)が早いことからそう呼ばれています。
 例えば、平成23年の3月5日9時の天気図には低気圧が沖縄周辺には解析されておらず、5日の沖縄付近は高気圧に覆われ、概ね風は弱く晴れていました。 しかし、6日には前線を伴った低気圧が東シナ海で発生し、発達しながら6日~7日にかけて沖縄付近を通過しました(地上天気図)。 このため、5日から6日はじめころにかけては風は概ね弱かったものの、前線通過前後に風は強まり、風向が南寄りから北寄りに急変しました。 また、7日は前線通過後に大陸の高気圧が張り出し、沖縄付近は気圧の傾きが大きくなり北よりの季節風が強まりました。 風が強まった6日から7日における、名護の最大瞬間風速は、6日が12.4m/s(南南東)、7日が18.4m/s(北北西)となりました。
 このように、高気圧に覆われて晴れたのち、低気圧や前線が近づき、その後風が急に強まり、風向が急変することがあるため、注意が必要です。 また、低気圧や前線が通過した後に北寄りの季節風が強まる場合があることにも注意する必要があります。
 最新の気象情報を利用し、風の急な強まりや風向の変化に備えることが重要です。

地上天気図(平成23年3月5日)

地上天気図(平成239年3月6日)

地上天気図(平成239年3月7日)

地上天気図(平成23年3月5日~7日)