北海道地方の短時間強雨の将来予測

概要

  • 北海道地方では、2℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオのいずれにおいても、短時間強雨(1時間降水量30mm以上)の発生回数が有意に増加する。20世紀末と比較して、2℃上昇シナリオでは約1.7倍、4℃上昇シナリオでは約4.1倍に増加する。

北海道地方の短時間強雨の変化

北海道地方の短時間強雨の変化 北海道地方の1地点当たりの1時間降水量30mm以上の年間発生回数(回/年)
棒グラフは発生回数、細い縦線は年々変動の幅。棒グラフの色は灰色が20世紀末(1980~1999年平均)、青が2℃上昇シナリオ、赤が4℃上昇シナリオの21世紀末(2076~2095年平均)に対応する。
20世紀末 2℃上昇シナリオ 4℃上昇シナリオ
北海道地方 0.2±0.2 0.4±0.2 0.9±0.4
日本海側 0.2±0.2 0.4±0.2 0.8±0.4
オホーツク海側 0.0±0.0 0.1±0.2 0.5±0.5
太平洋側 0.3±0.2 0.4±0.2 1.1±0.6
北海道地方の1地点当たりの1時間降水量30mm以上の発生回数(平均値及び年々変動の幅)(回/年)
20世紀末(1980~1999年平均)、21世紀末(2076~2095年平均)(2℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオ)のそれぞれについて、「発生回数±年々変動の幅」の形で示し、20世紀末と21世紀末の差が信頼水準90%で有意に増加する場合は青字としている。数値は小数点以下第2位を四捨五入している。

解説

1時間降水量30mm以上の雨は「激しい雨(バケツをひっくり返したように降る)」と表現される。傘をさしていてもぬれ、道路が川のようになる雨である。
短時間強雨の頻度や強度が増加する最大の要因は、気温の上昇により、大気中に含まれうる水蒸気が増加することである。