2℃上昇シナリオと4℃上昇シナリオ

 「日本の気候変動2020」に基づく北海道の気候変動予測では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)で用いられたRCP2.6シナリオとRCP8.5シナリオに基づき将来予測を行っている。

 RCP2.6シナリオでは、21世紀末(2081-2100年)の世界の平均気温が、工業化以前(※)と比べて0.9~2.3℃上昇する可能性が高いことから、本予測では「2℃上昇シナリオ」としている。これは、パリ協定の2℃目標が達成された世界であり得る気候の状態に相当する。RCP2.6は、IPCC第6次評価報告書(AR6)のSSP1-2.6に近いシナリオである。

 RCP8.5シナリオでは、21世紀末(2081-2100年)の世界の平均気温が、工業化以前(※)と比べて3.2~5.4℃上昇する可能性が高いことから、本予測では「4℃上昇シナリオ」としている。これは、追加的な緩和策を取らなかった世界であり得る気候の状態に相当する。RCP8.5は、IPCC AR6のSSP5-8.5に近いシナリオである。

 ※1750年以前を指すが、世界的な観測が行われるようになった1850-1900年の観測値で代替している。

 詳細は「日本の気候変動2020」(詳細版)付録1.2.1を参照。